無題
あなたには、私がどう見えていたのか
気ままな猫か
忠犬か
どちらにせよこの首には、輪がついていた
手枷も足枷もなく
ただ首輪だけが
自由にせよと言いながら
その手は首の輪に繋がる紐を強く握っていた
呼吸が出来ぬほど圧迫される
なにもされていないというのに
不格好に酸素を求めるこの姿はなんと滑稽なことか
仮初めの自由に喜んだのは幼子の頃だけ
この空の手に
汝は何を求めんと
己に問うても
首輪が重くて言葉を紡ぐことはできない
仮初めの自由と目に見える拘束
明らかなるはそれだけかと呟いて
何も持たない両の手を見る
傷一つ無い白い手を憎んでも
甘過ぎる己を恨んでも
もう遅いということしか分からない
乾燥し続ける心をもて余して
日々をただ無為に過ごす
ああ、あなたはこんな私を見て楽しげに笑う
あなたは、これで満足か?




