へい、ブラザー。まずは情報収集とかどう?
「兄上、私考えた。」
私はお兄ちゃんを真剣な目で見つめた。
因みに、もちろんではあるが、兄はソファの上で私はフローリングに正座である。
お兄ちゃんはちらっと目をこちらに向けサイト本に目線を戻した。なになに、本のタイトルは「人を騙すには身内から」。、、、え、こわ。
「私ね、お兄ちゃん」
無視されたので勝手に話すことにした。
「まずは小川さんのこと知ろうと思うの。作戦を練るにはまずは情報収集をしないといけないからね!」
ドヤ顔で兄をみつめる。
「、、、」
「、、、」
はい、沈黙。
「無視かよっっっ!!!」
くうううあ。無視されて腹が立ちました。ええ、それはもう。
私は近くにあったお兄ちゃんの携帯をつかみラインをひらいた。小川いねーぞ!?なんでたよ!あ、クラスライン見っけ、おんなじクラスだしここでいいや。
小川たんのこと知りたいのでデートしてください!!!
よしよし。
「、、、おい、なにした?」
「ラインした!」
ドヤ顔で答える。
「誰に」
「小川さん向けに」
「ほうほう、、、、向けに?」
「イエス、向けに」
お兄ちゃんは私の手から携帯を奪うと同時に、送った内容を確認したあとコンマ一秒で私の頭をバシッと叩いた。
「い、いたいいいい」
あまりの痛さに涙目になる。
「お前!何してんだよ!!!」
大声で叫ぶ兄を涙目で睨む。
「お兄ちゃんが話を聞いてくれないからじゃん!」
「腐女子の良い餌食になるだろうが!馬鹿!」
お兄ちゃんの顔が真っ青である。
え、お兄ちゃんの学校の腐女子ってそんな怖いの!?もしかして、お兄ちゃんと小川さんをくっつけるフラグを立ててしまった?!
「う、奪わないでよね!小川さんは私の未来の旦那なんだから!」
兄に向けて精一杯叫んぶ。
「誰が奪うか!!あと、小川はお前のモンでもねぇよ!」
と兄からも精一杯の叫びが返ってきて安心した。
最後の確認としてフラグは折らねばと思いお兄ちゃんに確認する。
「あとから本当は好きだったんだとかはダメだからね!」
「お前まで俺をそんな目で見るな!俺は女が好きなんだ!」
そこまで言うなら信じよう。
「お兄ちゃん。私が小川さんを手に入れた暁には、お兄ちゃんに女友達を紹介してあげる」
なんてったって私は女子校に通っているんだから、とドヤ顔で兄を見る。
兄は首を振っていた。
「お前の友達は絶対ぜっっったい、変だから別にいい」
、、、。本当こいつは失礼だな!
『ピロロン』
言い争いの中、この空間に似合わない音が流れた。
お兄ちゃんは音の発生源である携帯の画面を見て、はぁ〜と安心したように吐息した。
「どったんすか?」
「朗報だぞ、ブス」
「え、なにが?」
兄はほらよと言い携帯を渡してきた。
そこには
妹ちゃんかな?クラスラインだよ、これ笑
間違えたみたいだね( * ´_` * )と送られていた。
え、激可やわ。とほっこりした。
すぐ下に兄も送っていたようで、メッセージが目に入る。
ごめん。ブス(妹)がやった。無視って。
どこでも私をブスって言いたいんだなってって思った。
兄が携帯を奪い違う画面を見せてきた。
「小川からも個人ライン来た」
なになに。
妹ちゃんどうしたの?イタズラ?笑
イタズラちゃいますって〜と思い兄の返信をみる。
いや、お前が好きらしい
「いや、なんでもういっちゃってんの?!」
くわっと兄を睨む。
「いや、全部よめって」
あかん。いい流れになってるの?心臓ドキドキしてきた!と思い読み進める。
え、俺?冗談?
いや、がち
いや、え、どうしよ。どうすればいい?
あんなブスふっちまえ!
で終わってた。
「待って待って待って!全ッ然、よんでも安心できないんだけど!むしろもう会いたくないレベルなんだけど!」
「全てお前が俺を腐女子の餌食にしたのが悪い」
ずっごい極悪な顔で私を見下ろす。
く、くぅぅぅ〜!なんて兄貴だ!馬鹿野郎!
このままでは大原咲子はおわれない!
デートしたいです!とだけラインに打ち込むすると同時にメッセージがきてた。
デートさせてもらえない?
その下には、同時に送ったデートしたいですの言葉。
「神は私に味方しているようですよ」
と、ドヤ顔でお兄ちゃんに携帯を返した。