遮断
短めです
ソドは事前に構えていた双剣を跳ね上げ、どうにか棒の切っ先を逸らす。2人ともそう思った時には既に次の行動に映っていた。ピスは棍を逸らされた勢いのまま反対の切っ先を再びソドめがけて今度は振り上げた。ソドももう片方の剣を思い切り下にたたきつけ威力を相殺する。
「ウィザ!」
「わかってる!」
ウィザは威勢よく答えると魔力を貯める時間を終えた。魔力が放出されると地面や周りの木々、四方から金色に光る鎖がピスめがけて伸びてきた。上位の拘束呪文。これでピスの四肢を縛り上げる。
動きが止まったと思ったのもつかの間、ピスの体内から真っ赤な光が漏れだした。拘束呪文の反対呪文だ。鎖がちぎれると再びソドめがけて動き出す。だが、2人とも全く驚いていなかった。金色の鎖が再びピスに絡みつく。1度目の拘束が解かれるのは織り込み済み。2度目三度目と何度も何度も拘束呪文をうちだし、徐々にピスの動きを止めていった。
そして10度目の拘束呪文でようやくピスは完全に動きを止めた。ソドは目の前に立つとゆっくりとピスの指をほどき棍を手放させた。
力なくピスが倒れこむ。それを小さなソドは懸命に駆け込んだ。