決意。そして皇女殿下
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・・・・・・・・なんかいろいろ暴走してきたから現実逃避くらいしてもいいよね?
本来スキルというのは1人1つか2つ。
3つにもなると神子だと崇められる始末。
それがなんだ。9個って・・・しかも内容もなんかとんでもないし・・・
・ウェポンマスタリー (あらゆる武器を使いこなすことが出来るようになる。)
本来のウェポンの所には武器の名前が入ります。
ソードとかスピアとか。
・・・チートですね。わかります。・・・分かりたくないけど・・・
・内在的魔力量MAX (内在的魔力量を数値的な1無量大数まで引き上げる。)
・・・えぇ~・・・そんな・・・えぇ~・・・
ちーとってかバグじゃん・・・
・錬金 (魔力で物質を生み出す際の必要魔力量が100分の一になる。)
・・・・
・値切り (買い物中に使用すると金額が安くなる。)
お財布にやさしい!?
・最高神フェルミナの加護 (人生で超優遇される。)
これか・・・これがチートの原因か・・・
・隷属化 (任意の相手を奴隷にすることが出来る。相手の同意も必要。)
そろそろ反応に疲れてきたよ・・・
・転移 (目に見える範囲、もしくは記憶に残っている場所に転移することが出来る。)
よくあるやつだよねwww(白目)
・異空間創造 (異空間を作り出すことが出来る。最大数は3つ。)
ふむふむ。
・無限倉庫 (異空間に物を無限にしまうことが出来る。)
ほー。
フェルミナの加護は自分自身には有効だけど、それによって誰か別の人の人生を歪めることはないらしい。
異空間創造と無限倉庫の違いは生き物が入れるかどうかってところかな?
異空間創造で作られた空間に入るには俺の許可が必要らしい。
隷属化の最大人数はなくやろうとすれば全人類を奴隷にすることも可能・・・ってこわいな!
そんなことを考えていると・・・
「やっほー!カナタ!遊びに来たよー!」
姉上が乱入してきた。
「ん?カナタなにみてんの~?」
「今日のスキル調査の結果です。」
「あぁ~たしか今年は聖女様がやってくれたって言う・・・」
「はい。」
「みせてみせて~」
「あ、姉上っ!」
さっと俺から奪いさると・・・
「さ~て、カナタのスキルは~・・・」
姉上が固まった。
「あ・・・姉上・・・?大丈夫ですか・・・?」
「カナタ君・・・」
「は、はい・・・?」
「と、とりあえず・・・学園に相談しないとだね・・・」
「やっぱそうですよね・・・」
「そりゃ、そうだよ!なにこれ!9個って!9個って!」
「姉上落ち着いてください!」
「これがおちついていられますかっ!」
マズイこのままでは・・・
「姉上、失礼します!」
そう言って俺は姉上の口をふさいだ。
・・・・・・・・・・・・・自らの唇で。
「カ・・・ナタ君・・・?」
「お、落ち着きましたか?」
「う、うん・・・」
「姉上、学園には明日相談します。姉上は今日は自室に戻りましょう。」
「はい・・・」
姉上をロビーまで送り、そのまま姉上は女子寮に入っていった。
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[クリア視点]
ほんの冗談のつもりだった。
生徒会の仕事が終わり、部屋に戻ってもすることがないから弟の部屋で遊ぼうと思ってただけだった。
私は自室のベッドに倒れ込んだ。
「はぁ・・・」
こうしているとなんだか思い出してしまう。
さっきの・・・き・・・キスを・・・。
実の弟にされたとっても甘いキスを・・・
「あああああああぁ・・・」
カナタは取り乱した私を落ち着かせるためにとっさにした行動・・・
でも。
私にとってはある意味人生の目標といっても過言ではない行動だった。
私は弟が好きだ。
カナタになら抱きしめられたいし、
カナタにならキスもされたいし、
カナタにならそれ以上だって・・・。
そう、私は弟と結婚したい。
この国は近親婚を認めてない訳じゃないし、
たとえ、世間的に悪く言われようと私はたいしてきにしない。
多分カナタもそんな事は気にしないだろう。
でも、カナタにはフィーネという可愛い妹がいる。
カナタはフィーネにぞっこんだし、フィーネもカナタのことが好きだ・・・と思う。
この国では近親婚は許しても重婚は特殊な場合を除き許可していない。
その特殊な場合とは国に対して大きな功績を残したという実績があること。
その褒美として重婚の権利が認められるのだ。
でも、カナタにそこまで求める気は私は毛頭無い。
カナタにはカナタの幸せを手に入れて欲しいし、
カナタには無理をして欲しくないから。
だから、私は・・・
そこで私の意識はとぎれ・・・夢という暗闇の中へ沈んでいった。
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[カナタ視点]
俺にとって姉とは大切で。大切で。
幸せになって欲しい存在でした。
常に幸せで居て欲しい存在でした。
その気持ちは、フィーネに対する気持ちに似ていたと今更ながら思います。
そう。
俺は姉上に幸せになって欲しいんじゃない。
姉上を幸せにしたいんです。
他の誰でもない。俺の手で。
しかし、俺はフィーネだって幸せにしたい。
この国は重婚は認めていない。ならどうするか。
もう結論は決まってる。
この意味の分からないチートだって利用して、活用して、
何でもしてやろうじゃないか。
俺は俺の幸せのために。
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翌日、俺は学園長に呼ばれていました。
当然、魔力適正とスキルのことです。
俺は学園長室の扉をノックしながら呼びかけた。
「1年Aクラス、カナタ=リ=フェミナです。」
「はいりなさい」
中からは若い女性の声。
「はい。」
中にはいると昨日の聖女にも勝るとも劣らない美女がいた。
「カナタ君。初めまして、学園長のアイナ=リ=ハウウェルです。」
なんとそこにいたのは第三皇女アイナ=リ=ハウウェル皇女殿下だったのです。
「おっお初にお目にかかります、皇女殿下。」
「あらあら、この学園の制度を知らないわけではないでしょう?」
「それはそうですが・・・」
「そうですが、ではありません。そうなんです。めっですよ?]
「はっはい。はじめまして、学園長。」
「よろしい。」
アイナ様は今年で16になります。成人が15なので
王族で成人後も婚約もされていないのはアイナ様が初だそうです。
はたして、俺は独身皇女殿下様に何を言い渡されるのでしょうか・・・。