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試験、結果そして生徒会

*********************


翌日、仮の教室で入学試験がありました。

仮の教室というのは入学試験の結果で教室が決まるためです。

なので、今日は試験だけで終わりです。

姉上達は授業や後の身体測定の準備などがあるようなので少し校舎内でも散策していることにした。

散策しようと、歩き始めたところに・・・

ドンッ

「うぉ!」

誰かがぶつかってきました。

「あ゛ぁ?んだてめぇ・・・どこみてあるいてんだ?」

「まだ歩いてすらなかったんだけどね・・・」

こんな典型的な事ってあるんですね・・・思わず笑っちゃいそうです。

「んなこときいてねんだよ、とりあえず一発くらっとけや」

「その前に君の名前聞いてもいいかな?」

「俺の名前はゴルドフ=リ=ガルヴァ様だ!覚えとけ!」

「そうですか、ところでそこに監視魔術があるんだけどいいのかな?」

ゴルドフの拳を避けながら問う。

「あ゛ぁ?んなもん金と権力で何とかなるだろうが!」

周りの女生徒は悲鳴を上げて教師に知らせに行き、男子生徒とは固唾をのんで見守っている。

「残念だけどこの学園ではお金と身分は役に立たなくなるんだよ?知らなかったのかい?」

「はぁ?んなわけねぇだろうが。金と権力は絶対なんだよ!」

「そこまでだ。」

そこで、知らない声が響く。

「君はゴルドフ=リ=ガルヴァだね。要監視生徒名簿の所に名前があったよ。

 早速問題を起こしてくれたね。しかも最悪の相手と。」

「あ゛ぁ?てめぇ誰だよ。」

「私は、二年の風紀委員会会長のクルト=リ=バーナーだ。

 女生徒からの通報でね。君を拘束させて貰う。」

そういうとどこからともなく他の風紀委員達が出てきてゴルドフを拘束する。

「彼の名前はカナタ=リ=フェミナ。フェミナ家次男だ。

 君も王国貴族の端くれなら聞いたことくらいあるだろう」

「フェミナ公爵家・・・」

「そうだ。まぁこの学園では身分は無いも等しいためそこは罰にならないが暴行未遂の罪で連行するよ。

 連れて行け。」

「はっ!」

「それじゃカナタ君、悪いが君も来てくれるかい?

 (てい)だけでも事情聴取しとかないとあとでごちゃごちゃ言われたくないんだ。」

「えぇ、かまいませんよ。」

まさか、こんなことで時間がつぶれるとは・・・

早めに解放して貰いましたがだいぶ時間が経ってしまっていました。


********************


そして次の日。

試験結果は順位、名前、点数が上位30名。あとは名前と順位のみがかかれています。

俺の名前は・・・一位の所にありました。

少しほっとしました。

そこで殺気(とも呼べないようなものでしたが)をかんじました。

その方向に目を向けると、一人の少女に見られていることに気づく。

そして目が合うと、

「たぶんあなたよね?あなたなんでしょ?!私から一位の座を奪ったのは!」

俺が唖然として見つめていると、

「あなたお名前は!?どうせそこらの下級貴族なんでしょうけどどうやってここの教師達に口をきいたのかしら。そこらの下級貴族にそんなつてがあるとは思えないけどね!」

おそらく、俺よりも周りの方が唖然としていたことだろう。

「失礼、貴女は?」

「私のことを知らないの?よっぽど辺境の貴族なのね。いい?

 私の名前はミスト=ラ=ミレストよ!メルトリア王国侯爵家の娘よ。」

「・・・失礼ですが、貴女一位の名前はごらんになられたのでしょうか?」

「?・・・そういえば見てなかったわ。」

「確認されるのがよろしいかと思います。」

「どういう事かしら?・・・・一位・・・カナタ・・・リ・・・フェミナ・・・?」

「はい、申し遅れました。

 俺、いや私はハウウェル王国ドラン=リ=フェミナ公爵が次男、カナタ=リ=フェミナと申します。

 以後お見知りおきを。ミスト嬢?」

「フェ・・・フェミナ公爵・・・」

「先ほどは素晴らしいお言葉の数々、誠にありがとうございます。

 何かお礼をして差し上げたいのですが、

 いかんせんこの学園は身分に差が出ないようにと配慮されていますので今回はご勘弁を頂きたく思います。」

「い・・・いえそんな・・・さっ先ほどは・・・失礼の数々・・・まっ誠に申し訳ありません・・・」

「いえいえ、俺は本当にかまいませんよ。別に悔しく思うのは人として当然だと思いますし、

 たかだか九歳に感情のコントロールまで完璧にしろなんて言うつもりもありません。

 ただ、先ほどの教師達に口をきいたというのは撤回して頂けますね?」

「はっはい!それはもちろん!」

「それに、ミスト嬢、俺は本当に怒っていないので安心して大丈夫ですよ。」

「・・・本当・・・ですか・・・?」

「ええ、本当です。それと、おそらくこれから生徒会で仕事をする仲間になるのでよろしくお願いしますね。」

「は、はい!カナタ様!」

「おわったかしら~?」

と、待ちくたびれたかのように姉上が声をかけてくる。

「えぇ、終わりましたよ。」

「それはよかったわ。第三席の人はいるかしら。」

「おれですか?」

「そうよ、ほら他の生徒会役員が待ってるからいきましょ?」


そして生徒会室。

「さて、ここにいる入学試験上位三名は生徒会に入ることになった者達よ。主席の生徒は副会長として私の補佐について貰います。」

「次席は書記の私、メルクの補佐について貰うわ。」

「参席は会計の俺だ。カイン=ラ=トルーラーの補佐について貰う。」

この「ラ」というのは隣国メルトリアの貴族の証だ。

「主席カナタ=リ=フェミナです。」

「次席ミスト=リ=ミレストですわ。」

「参席ラケル=リ=ヴァインだ。」

「うん、今回は簡単な顔合わせだから、これで終わり。今度歓迎会するよ~♪」

「また、会長は・・・」

「いいじゃない、有り余るポイントを無駄遣いしたくらいで。カインは細かいのよ。」

「姉上、あまり困らせてはいけませんよ?」

「は~い、カナタが言うならわかった~。」

全くこの姉上は・・・少し可愛すぎると思うんだけど。

この時、俺は少し浮かれていたため気づかなかったがカイン先輩の目は敵を見るように鋭くなっていたのでした。


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