ヤンデレという名の恋は美しいのか?
「なぁなぁ。」
「あっ?」
「ヤンデレってさ……綺麗だって思わねぇ?」
「あぁ?急にどうした?」
「だってよ。独占欲があるってことは自分のこと大事に思ってるってことじゃん?それって嬉しくね?」
「何が言いたいんだよ。」
「それにさ、殺したい程思ってくれてるって訳でもあるしさ、自分の全てを知ってくれているって安心とかできるじゃん?」
「だから何が言いたいんだよ。」
「だから、ヤンデレって綺麗だよなってことだよ。」
「どこがだよ。独占欲はある意味邪魔だし、殺されたくねえし、全て知られてるなんて気持ち悪いだろ。大体、重すぎる。」
「そうか?」
「そうだよ。」
「うーん。考えの違いだな。」
「あぁ?俺の方が説得力あんだろうが。体験者だぞ。」
「あぁ、そうだったな。でもさ、最初は嬉しくなかったか?あんな美人に好きですって言われたんだぜ?」
「そりゃ、最初は嬉しかったよ。彼女いない歴=年齢だったしな。」
「だろ?」
「でもあの経験によって学んだことは人は見かけによらないってことと、女は怖いってことだった。」
「うーん、いや、でもさぁ。尽くしてくれるんだぜ?そこらへんはいいと思うんだけどなぁ。」
「重いだけだっつの。」
「いや、でもさぁ…。」
「…お前はヤンデレされたいのか?」
「うーん、まぁ、そうかもな。」
「ふーん。だったらさ…………俺がやってやってもいいぜ?」
「………は?いやいやいや、なんか変な言葉が聞こえたぜ?」
「俺さぁ、あの経験の後さぁ、女は怖いってことを学んだって言ったじゃん。」
「うん。言ったね。それとこれと関係があるのかな?」
「付け加えるとさぁ………女より男がいいってことを学んだだよね。」
「………は?」
「ホモに目覚めたってことだよ。」
「………なぁ。」
「なんだ?」
「身の危険を感じるが………気のせいか?」
「気のせいじゃないんじゃないか?」
「やっぱり?いや、なんかさ、君が自分に襲いかかってくる情景が頭に浮かんでるんだ。」
「あぁ、俺もだ。お前に襲いかかるっていう情景が頭の中にある。」
「……うん。自分は帰るとするわ。じゃな。」
「おいおい。逃げんなって。」
「ギニャァ!いきなり足掴むな!転んで鼻打ったろうが!」
「お前……本当に可愛いな。」
「…へっ?いや、ちょっ、タンマ。自分にはそんな趣味ないから。」
「大丈夫だって、痛いのは最初だけだって。」
「話が噛み合ってないぞ。おい。」
「さぁ、力抜いて。」
「いや、服に手をかけるのをやめてくれるか?」
「お前、結構肌綺麗だよな。」
「いや、触んないでくれる?」
「髪もサラサラだしさ。」
「………ってい。」
「痛っ。」
「じゃな。頭冷やしてこ……い?」
「逃がすかよ。お前は俺だけを見てりゃいいんだよ。」
「うわぁ。ちょっと真面目に怒りそう。ってあれ?どこからそんなスタンガン取り出したのかな?あれ?ちょっ……。」