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競争
「ああああああああああっ!!」
俺は転げ落ちるようにして赤兎の背から降り、地面に寝転がった。
「くっそぉぉぉぉぉぉぉ!
まけ………まけ………まけ………!
負けたぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
悔しいぞ!
すごく、すごく、すごく、すごく、すごく!
すごく悔しいぞ!!
火鳥が上機嫌で、ころころと笑いながら黒龍の背から降りた。
「負ける気がしないと申し上げたはずです。
わたくしの方が体重が軽く、いい馬に乗っているのです。
わたくしが勝つに決まってます」
「くっそぉぉぉぉぉ!」
――違うぞ。
確かに黒龍はいい馬だし、もちろん体重は軽い方が有利だが。
そんなんで簡単に負けるほど、俺と赤兎は遅くなかったはずだ。
ああああああああああああああっ!
悔しい! 悔しいぞっ!
俺の叫び声が青空に響いた。
「負けたああぁぁぁぁぁっ!」




