表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の妻は忍(しのび)ですか? ――でもって、もしや、次に殺される男は俺ですか?? ええ〜っ! 俺、まだまだ生存希望ですけどっ!?  作者: ひの


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/237

6、盗賊・リベンジマッチ 〜陽の巻〜

「え……本当に、これを着なきゃダメ……?」

 俺は懇願するように一益を見上げた。


「どうしても気に入らねぇんなら、こっちか……これでも良いぜ」


 一益が指さしたのは、どれも目がチカチカするような派手派手しいラフな浴衣ばかり。

「なんというかもうちょっと……。

 ――落ち着いた柄があるだろう……?」

「『部下はいらねぇ』って事なら、いくらでも着る物はあるぜ」


 一益は顎を上げて鼻で笑った。

 俺は言葉に詰まる。



 ――部下は、欲しい。

 俺は。強くなりたいんだ。


 俺は、示された中では一番無難な、萌黄の浴衣を指差した。

 ありえないくらい派手だ。


「髪結いの紐はこの中から選びな」

 ――えっ!?

 青と、緑と――赤!!?

 アタマおかしいんじゃないの!?


「じゃあ、せめて袴は褐色で――」

「あ。袴は禁止な」

 嘘だろ!!!!

 俺に、このド派手なリラックスウエアで外を歩けと……?


 いやだ……。

 絶対に笑いものになる……。



「約束の時間になる。

 強くなりたいんだろ。早くしろ」


 ええええええ~~!


 結局、緑色の髪紐を選んだ。


「ん~。いまひとつ、パンチに欠けるんだよなぁ……」

 一益はぶつぶつ言っている。

 ――いや、十分に破壊的だと思うぞ。


「入ってもよろしいでしょうか?」

 扉の向こうから火鳥の声がした。


「いや! 入らないで! 頼むから」

「あ! 良いところに! どうぞお入りください!」

 俺と一益が同時に声を上げた。

 扉を開けて火鳥が入ってきた。


 ええっ!?

 この屋敷の主人は俺だよね??

 なんで一益の発言が採用されて、俺の発言が無視されたの!?



 火鳥は俺を上から下まで眺めた。

「まあ、お似合いですこと」

 おい。見え透いた嘘をつくな。


「ですが、あちらの着物の方が、もっとお似合いになったのでは?」

「私もそう言ったのですが。和颯殿が、どうしてもこちらがいいとおっしゃるので」

 ねえねえ、君たちのセンスはぶっ飛びすぎじゃない?


「そうですか。お気に召さなかったのならば仕方がありません。

 ですが、髪結いの紐はこちらの方が……」

 火鳥が手に取った紐は――赤!?

 いやいやいやいや。

 一番ありえないやつだから!!!


「いやちょっと待って。それ、一番ダメなやつ」

「そうですか?」

 火鳥は一瞬考えるそぶりを見せたが、すぐに極上の笑顔を見せた。

「赤は、和颯様にお似合いになると思います」

 ――えっ。そう、かな……? 


 一瞬動きが止まったのが運の尽き。

 火鳥は小さなハサミで、俺の髪に巻いてあった緑の紐をプチンと切った。

 火鳥の細い指先が、俺の髪を掻き上げる。

 ――うっ……わっ……。


 俺の動揺を無視して、火鳥はそのまま、赤い紐でくるくると俺の髪を高く巻き上げていく。


 え?


 ちょっ……。


 待って! 待って!!

 たっ……高く結いすぎじゃない??



「完成です」

 火鳥が言った。

「――いやちょっと待って……まずは、鏡を……」

 俺の発言はまたもや無視された。


「時間だ! 相手を待たせるとまずい。そのまま行くぞ!」

 一益が俺を急かす。

「お似合いですよ」

 火鳥がにっこりと微笑んだ。


 ねえっ!

 君たち2人は、どうしてそんなに息がぴったりなの!?



 俺と一益は馬に乗り、屋敷を出た。

 火鳥が笑顔で見送る。

 今日の火鳥は、やたらと機嫌が良い。

 



 途中、那古野村ですれ違った皆が、口をあんぐりと開けて俺を見ている。


(たいへんだ……)

(ご乱心だ……)

(ご乱心だ……)

 


 ねえっ! 違うんだ!

 誤解だよっ!

 あああ〜っ! みんなぁっ!

 俺を見て、目をそらさないで~!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ