表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺の妻は忍(しのび)ですか? ――でもって、もしや、次に殺される男は俺ですか?? ええ〜っ! 俺、まだまだ生存希望ですけどっ!?  作者: ひの


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

195/237

~カワセミの唄~

 侵入者が和颯の太刀を蹴り飛ばしたので、俺にかかる力が、わずかに緩んだ。

 すかさず俺は、刀の重心をずらして、敵の力を受け流す。

 侵入者の体勢が崩れた。俺はすぐさま足払いをかける。

 敵はバランスを崩してたたらを踏んで――と思ったのは、奴の演技だったのだろうか。

 侵入者が、懐に手を入れ、何かをつかみ取った。


 ――何をする気だ!?

 俺はそいつの手元を凝視する。


 奴は、握りしめた何かを勢いよく、そのまま俺の顔に投げつけた。

 思わず息を吸う。鋭い痛み。

 細かい粒子が、見開いた目に侵入した。



 ――しまった! 灰の粉だ!!



 思いっきり灰の粉を吸い込んだ俺は、激しくせき込んだ。

 涙と灰で、視界が濁る。目が痛い。

 

 和颯は、部屋の隅で四つん這いになって、暗闇に落ちた刀を探している。

 侵入者は、庭へと開け放たれた扉に向かって駆け出した。


「逃がすかっ!」

 和颯の気配が、開け放たれていた扉へと飛びついた。

 勢いよく、扉が閉まる音。

「ここは通さないぞっ!」


 ――和颯……そこをどけ。



 俺の想いは、咳に消されて声にならねぇ。

 

 そんな奴、逃がしてしまえ。

 ――お前がそいつを殺しても、そいつの主人は痛くもかゆくもねぇんだよ。

 ただの、駒。それが、忍だ。



 侵入者の判断は速かった。

 直接庭に出るのは危険だと判断したのだろう。俺のすぐ脇を走り抜け、廊下へと飛び出した。



「え?

 ――あ? あ~! 

 待て! 逃げるな! 卑怯だぞ!?」


 一拍遅れた和颯が、刀も持たずに後を追う。



 ――いや、お前が致命傷を負う前に、コイツはとっとと逃がすべきだ!


 涙と鼻水が止まらない俺が、咳き込みながら後を追う。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ