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俺の妻は忍(しのび)ですか? ――でもって、もしや、次に殺される男は俺ですか?? ええ〜っ! 俺、まだまだ生存希望ですけどっ!?  作者: ひの


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水野

 そんな中、突然、俺のもとへ、水野信元から手紙が届いた。

 水野信元は、知多半島の真ん中あたり、西の海沿いの緒川に住んでいる。


※※※



 織口和颯殿


 突然の手紙をお許しください。


 我々は、生きるか死ぬかの瀬戸際に立たされております!!



 織口信秀殿が亡くなってからというもの、我々には今川家から『織口家を見限り、今川家に寝返らないか』という誘いが、ひっきりなしに来ております。

 今川家の提示する条件は非常に魅力的で、『今こそ今川家につくべきだ』と進言する家臣は、日ごとに増えております。


 しかしながらわたくしは信秀殿の生前、多くのご恩を受けております。

 信秀殿が亡くなったからといって、どうして直ちに、織口家を裏切ることなどできましょう。

 目下、水野家は、今川家の誘いを断り続けております。



 ですが今川家が、鳴海と沓掛を手に入れたのはご存じの通り。


 先日とうとう今川軍は、村木に、極めて強固な砦を作りました。

 村木砦は難攻不落。しかも、我々のいる緒川から、わずか3Kmしか離れておりません。

 既に寺本寺は今川に寝返りました。

 近隣から緒川へと続く道は遮断され、我々は既に孤立。

 田畑も荒らされて食料も乏しく、じわじわと追い詰められています。



 我々は何度も使者を立てました。

 数人の使者は命がけで包囲網を突破。織口家の跡取り・信勝様に窮状を訴えましたが『何とか耐えてほしい』のお返事をいただいただけで、援軍はいただけておりません。

 このままでは、我々はあと1ヶ月も持ちこたえることはできないでしょう。




 和颯殿こそ、我々を救ってくださる、最後の頼みの綱と思い、こうして涙を流しながら、手紙をしたため、慈悲におすがりしております。


 あなたのお助けがなければ、我々は、あとはもう死を待つばかり。


 人が死ぬのはこの世の理。

 名誉のうちに死ぬであれば、この命など惜しくもありません。

 しかし、緒川砦が落ちれば、いずれ知多半島が落ちます。知多半島が落ちれば、熱田も落ちる。

 熱田が落ちれば――次は、織口家本家。

 水野家の滅亡は、織口家にとってもけっして看過できるものではないはずです。


 織口和颯殿!

 どうか我々をこの窮状からお救い下さいませ!!

 

      緒川砦 ・ 水野信元


※※※


挿絵(By みてみん)

(参考)

  鳴海ー沓掛 8Km

  村木ー緒川 3Km

  緒川ー寺本 10Km

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