第四章① 待たせたな! 温泉回だ!
ツイッター(現X)にて音声動画上げてます
OP「なりたい自分になればいい」
https://x.com/HanashioKikei/status/2015005325829754896?s=20
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それしてもモノローグが漏れないというのは素晴らしいな!
今日もメルリがカワイイ。
…大丈夫、漏れてなーい。
それにしても、ミニスカメイド服って、二次元の世界でしか見たことなかったが、いや、実にイイモノだな! まぁメルリが着ればなんでも似合ってしまうのですが? その短いスカートからすらっと伸びる乳白色のオーバーニー。そして昨今では絶滅危惧種とも名高い絶対領域。嗚呼…眩いばかりだ。あの脚で膝枕なんかしてもらえたら…
おおっと、ダダ漏れ…そっか、してないのか。
メルリに変わったところはない。ホントに漏れてないんだな。でも漏れてたら膝枕してくれたかもしれん。少し…残念?
「あの…」
「どうした?」
「本当に漏れていない…のですね」
「そうらしい」
ビックリしたー! また漏れてるのかと思ったよ!
「メルリは…ご主人様が考えていることが聞けて、嬉しかったんですけど…」
そうは言っても太もも眩しい、とか聞かれたくないじゃん?
「まぁ、アレだ、その分、大事なことはメルリにちゃんと話すから」
「はい」
それで納得してもらえるなら…膝枕は諦めよう。
「フルルちゃんにちゃんとした服、着せてあげたいですね…」
よほど居心地がいいのか、ずっとメルリの胸に貼り付いたままのフルルを撫でながらメルリが言う。そりゃ居心地良かろう…
「ボクは…このままでもいいのでして…」
「でも飛んだり跳ねたりしたら、裸んボさんになっちゃうよ?」
「ううっ…それはこまるのでして」
「サージエンスに着いたら探してみよう」
「「わぁ!」」
二人から歓声が上がる。
「メルリも…メイド服以外にも何かあった方がいいからな」
そもそもエプロンドレスが引きちぎられたままなのだ。このままでってわけにもいかんだろ。
「いえ、メルリはご主人様に仕える身なので、これで…」
「メルリはオレの奴隷じゃないぞ? 服くらい、色々着てみればいい。きっと似合うぞ」
「そ、そうです…か?」
戸惑いながらもちょっとうれしそうにメルリが答える。まぁオレがいろんなメルリを見てみたいからなんだけどな。
…うん、漏れてない。
◆
再び西へ、サージエンス目指して歩き出した。
「あれ…?」
「どうしたの? フルルちゃん」
「せいれいでして」
「精霊?」
「これは…おんせんのせいれい? このちかくにおんせんがあるかもでして」
「どうして分かるの?」
「せいれいがおしえてくれるのです…ってボクにしかみえませんのでして…せいれいとはしぜんかいのばんぶつからはっせいするせいしんがぶっしつかしたもの。モノとイキモノのちゅうかんみたいなものなのでして」
「へぇ。そうなんだ。ご主人様。フルルちゃんが、この辺に温泉が湧いているって言ってます」
「温泉…へぇ。いいねぇ。ゆっくり浸かって疲れを落としたいぜ。どうなん? パイセン」
「いいねぇ、温泉。そろそろ陽も落ちるし、この辺で本日は終業といたしますか!」
◆
「こっちでしてー」
フルルの導きに従って歩いた先に小川があり、それを少し遡ったところに湯気が立っているのが見えた。
「ここでして」
どうやら河岸に温泉が湧き出ていて、川の水と混じり合っているようだ。日本にも秘湯とかいって河岸に浸かれるところがあるそうだが、多分似たようなものだろう。
「それではこの近くに設営しますか。そうだ、もうじき暗くなりますんで…」
ユーリは背中の荷物を開けると中をゴソゴソ探る。
「これをどうぞ」
「何それ?」
「おー! ランタンかー」
「湯場までお持ちください。河岸なんで足元危ないですからね」
「着替えがないのは残念だな。せっかく温泉に浸かるのに」
「もうすぐサージエンスですからそこで色々生活必需品も調達いたしましょうか。何の準備もせずヒエロフから出てきてしまいましたからね。ではあちらで設営してきます」
「分かった。オレはここで見張りやってるよ」
やれやれ、と河岸の大きな石に腰掛けたところへメルリがやってきた。
「ご主人様は一緒に入らないのですか?」
にっこり笑ってメルリは言う。それはそれは…曇りのない笑顔で。
「ハァッ? いいいいいいっしょにぃッ?」
こっちは心が曇りまくりなのでこの反応だ。
「お背中とか流して差し上げたいです」
「ばばばばばばかなことを言うな! オオオオオオレたちが見張ってるから、先にパイセンたちと入っておけ!」
「フフ。のぞいちゃダメですよ?」
「しないしないしないしない。しないから安心して行ってきなさい」
「ふふっ。はい!」
「まったく…背中を流すのは良くってのぞくのはダメなのか? 矛盾してないか…全く…」
「やぁ楽しそうですね」
設営を済ませたユーリが戻ってきて、傍に座る。
「わたしも…いい?」
ヒミコ?
「あり? パイセンたちと一緒じゃなかったの?」
「うん…ちょっと…ここ、いいかな?」
と、石に腰かける。ヒミコと会話をするのは…初めてじゃね?
「どうしたんですか? お風呂、大好きでしょうに」
「うん…一人で入る分には…」
「あらあら。女同士、恥ずかしがることございませんことよ?」
とおどけてみせるが
「…うん…そう、だね」
あ、れ? 反応がしょっぱい…
「あ、気に障ったらごめん。からかってしまった…」
「あ、いいよ、そんなの。そうだよね…女同士、ならね」
「え? ヒミコって女装子、とか?」
「いやいや。ちゃんとカラダは女だよ。おちんちん付いてないし」
この可愛い顔と声で『おちんちん』を聞けるとは…
「じゃぁ、あれか? 身体と心の性別が違う、えっと、なんだっけ?」
「性同一障害のことですか?」
「おお、それそれ」
「それ、なのかな? わたし、この世界に来る前は男だったんだ」
「それが…女に?」
「うん。わたし、小さい頃から体が弱くて…中1の夏前に本格的に悪くなって入院して…そのまま退院できず、中3の秋には死んじゃった。入院している間って、暇じゃない? だから差し入れのマンガとかアニメとか見てて、そしたらヒロインの女の子たちが可愛いんだぁ。わたしもこんな風になりたいなって…可愛いお洋服を着たり、お化粧したり。憧れてたんだ。そう思いながら死んじゃったからなのか、こっちに転生したらこの姿だった。でも…記憶は男だった時のことを引き継いじゃったから…自分がどんなキャラなのかどういうキャラでいればいいのか、よく分かんなくて。あ、ごめん、一人でずっと喋っちゃってるね」
「いや、構わんよ。って、それ、ユーリは知ってた?」
「いえ、初めて伺いました。ヒミコさん、無口ですし」
「下手に喋っちゃうとボロが出そうで」
「獲物を見ると真っ先に戦いに出てしまうのも、その辺と関係が?」
「そうかもね。自分の意思で自由になる身体が手に入って浮かれちゃって、考えるより先に動いちゃうんだよね」
「巨大ベルツノガエルに飲まれた時は大変でしたね」
「ちょっと消化されかかってたもんね」
楽しそうに語ってるが…それってホントにヤバかったんじゃね?
「あれは…身が厚くてなかなか刀が通らなくて、わたしもびっくりだった…」
「それで…それと風呂とはどういう関係が?」
「ああ、うん…ミキミキ先輩はともかくとして」
ともかくでいいのか?
「メルリちゃんとフルルちゃんも一緒でしょ?お風呂。女だか男だか分かんない自分なんかが、一緒に入っちゃったりしていいのかな、って。なんか、そんなことでメルリちゃんを傷付けたり嫌われたりしたくないし、カナートくんもメルリちゃんを大事にしてるし…だから…カナートくんに相談してみようかなって」
「『くん』とか付けなくていいよ、呼び捨てで」
「でもかわいいじゃない? 男の子の名前に『くん』付けして呼ぶ子って」
「それは人それぞれ、かなぁ…ヒミコは…メルリのことが好きなのか?」
「うん。大好き! 初めて会った時から、ずっと」
おお、言い切った。
ん? 今、なんかユーリがピクンと不穏な動きをした気がしたが…
「なんて言えばいいのかな、わたしがなりたい女の子の理想像そのまま、みたいな。ホントにかわいい…だからずっと観察させてもらってた。どうすればあんなかわいい女の子になれるのかなって、匠の技を盗ませてもらおうかと。女性アイドルに夢中になる女の子って、こんな感じなのかなぁ?」
あ。あーあー、なるほど。だからずっと最後尾にいたのか!
なんか仲間はずれっぽい位置にいる割にはパイセンが気にしてないと思ったら!
…っていうか、参考にされなかったパイセン…
「ふーん…まずオレが言えるのは…メルリと仲良くしてやってくれ、ってとこかな?」
「うん、それはもちろん」
「でもメルリに遠慮してんじゃね?」
「だって! あんなかわいい子相手にお話しとかするの、緊張しちゃうよ…」
うーん、この辺の心理が男なのか。それとも乙女なのか。
「参考にするってなら、それこそ最前列で、ってなるんじゃね? 話とかしてるうちに馴染むんじゃね? しゅにくに…何だっけ?」
「朱に交われば赤くなる、ですね」
「そー、それそれ」
…よく分かったな…
「そ、そうかな…」
「オレ的には…風呂くらいいいんじゃねぇかな? ちんこ付いてねぇし。とはいえ、本人の意思ってもんがあるから、メルリに聞いてみればいいんじゃねぇかな?」
「え、なんて? どうやって?」
「うーん、どうしたもんやら…晩飯の後に全体会議でもしてみる?」
「ああ、いいんじゃないですかね」
「そんな大袈裟な」
「いや、ヒミコさん。僕たち、カナートやメルリさん、今度はフルルさんも加わってそこそこ大所帯になって来ています。ある程度意思統一をしておかないといざという時にトラブルになりかねませんから」
「じゃぁ、うん…はい…」
「それと…キャラとか、あんま他人の目とか気にしなくていいんじゃないか? なりたい自分が女だったんだから、お前がなりたいようになればいい。だって、ヒミコはヒミコ、だろ?」
「そうか…そうだね。うん…ありがとう。なんか自信湧いてきた気がするよ」
「まぁカナートは【生前設定】からして今の状態ですから、キャラ付けを自分でやらなきゃならない人のことは分からないのですよ」
「【生前設定】?」
◆
「わーい!」
フルルの纏う衣類は布一枚なので脱ぐのもあっという間だ。
「…お外でお風呂って…ちょっと落ち着かないな…」
「だいじょうぶでして。だれもみていませんのでして。ちかくでカナートたちがみはりしてくれてるのであんしんなのでして」
「そう…だけど」
「パーッとぬいじゃってジャボーンってはいっちゃうのでして。きもちいいのでして!」
「ふふ。分かったわ。今脱いじゃうから先に入ってて」
「わかったのでして! それーっ!」
ちゃぽーん
フルルの身の大きさに合った小さな水音が立つ。
「よいしょ…わぁ! あったかい! きもちいいのでしてっ!」
湯に浸かったメルリも感嘆の声を漏らす。
「ああ…気持ちよくて溶けちゃいそう…」
「それ!」
パチャッ
小さな水しぶきがメルリの顔にかかる。
「やったなぁ? それ!」
バチャッ
「うわーっぷ!」
「ふふ、ごめんね? 大丈夫だった?」
「これしきだいじょうぶなのでして!」
「じゃぁしっかり温まって、ご主人様たちと交代しましょう」
「ハイでして!」
「あの…アタシもいいかな?」
「ミキミキさん? そんな遠慮なさらず、どうぞどうぞ」
「では…フゥゥゥ気持ちィィぃ…生き返るわぁ…死んでるけど。それにしてもメルリちゃん、肌も髪もキレイよねぇ」
そう言いつつ、ミキはメルリの隣へ移動してきた。
「…また胸触ったりしたら、ご主人様に言い付けますよっ⁈」
「あはは、しない、しない。っていうか、大丈夫? 先の方とか、痛くない?」
「あ、あの、ええと、歩く分には、まぁ…走ったりは、やっぱり…ちょっと…」
「だよねー。まぁ男どもには分からん悩みだからなぁ。ってかアタシにもちょっと理解を超えちゃってるけどねぃ」
「そういうお話しをするの、やっぱりちょっと恥ずかしくて」
「そりゃそうさー。なんか困ったことあったらミキミキおねえさんに相談してよ。サージエンスに着いたらちゃんとしたブラ、買おうねー」
「はい…うぅ…ハズカシイ…」
「フルルちゃんも洋服買った方が良いよねー」
「うーん…ボクはあのままでもいいのでして…メルリのにおいがしておちつくので…」
「あはは、そうかー」
「フルルちゃん!? メルリって臭いのっ⁈」
「いえいえ! そうではなく…なんか…やさしいいいにおいがするのです…」
「まぁ挟まれ心地よさそうだもんねー」
「ミキミキさんっ!」
「あはは、冗談、ジョーダン。さて、そろそろお風呂上がりましょうか。あんまり長く浸かってるとゆでダコになっちゃうよー」
「あぁん、タコはこまるのでして」
「それじゃ、皆様のところへいきましょうか」
「ハイでして!」
◆
ED「しょー⭐︎みー⭐︎せってー」
https://x.com/HanashioKikei/status/2015698683749372310?s=20




