第七話「学園での目標と準備」
次に訪れるは貴族の学生寮…貴族の子息に何かあれば様々な問題になる…そのため、セキュリティが厳重だ。
俺は名刺を渡すとゼノンと共に学生寮に入った。
部屋に着く…落ち着いて寝ているとレオンハートから連絡が入る…所謂念話ってやつだ。
(ルイン様、メルが奴等の殲滅に成功しました。ついでにマルクス家の悪事は抑えてあります。これで罪に問われることはないでしょう。)
ふっ、復讐達成か…成功を祝ってやろうかな?
…奴にもう力は要らないな…俺はメルのステータス設定をクリアにする。すると、元通り、か弱い少女に変わった…だが、万が一の時がある。身の危険が起こる際にステータスが自動的に上がるようにしよう。
俺があれこれしていると学生寮の扉がノックされる。
俺はゼノンに対応させ、考えると怒声が寮内に響き渡った。
「ちょっと!ルインに用があるの!部外者は引っ込みなさい。」
ミラン・パーモンドだ。面倒臭い…俺何かしたか?俺は持ってきた荷物の中に無理矢理体を押し込み、姿を隠す。
様子を荷物に紛れ、見ているとミランがまた怒声を張り上げる。
「ちょっと!ルイン!貴方に言いたいことがあるの!」
言いたいことか…どうせ派閥に入れってことだろ?そんなのお断りーーー
「感謝を言いに来たの!助けてくれてありがとうって面と向かって言いたいの!」
何…あの傍若無人を体現したような女…ミラン・パーモンドが感謝だと…
俺は荷物に隠れた体を白日の下に晒し、ミランの元まで歩く…
「ルイン様!?」
ゼノンは驚く…当たり前か…こういう面倒臭いことには首を突っ込まないからな…
「ルイン…あのね…」
そう言いながらモジモジするミラン…お前仮にも学園編のボスだろ…それでいいのか?
ミランの様子をジッと見ていると…ミランの顔がほんのり赤く染まる。
「な、何よ。じっと見て…」
…ミラン・パーモンド…こいつは結末が不幸なキャラだ。王子を我が物にするために暗躍する…しかし、結末は悲惨だ。その王子に半殺しされ、パーモンド家からは歴史から名前を消され、街中で公開処刑される。
まぁ、自業自得だけど、可哀相なキャラと言えば可哀想なキャラだ。
まぁ、今のところは優先することがない…こいつの最悪エンドを救ってもいいだろう。
よし、学園でやることも決めたし、後は…
「感謝は受け取るよ。だが、こっちも考えることができた。じゃあな。」
そう言うと俺は強引に扉を閉める。
そして、防音魔法を張り、音を遮断する。
…俺は計画を練り、入学式まで備える。
一方、扉の前では、ミランがドンドンと扉を殴っていた。
次回は来週の月なら水に投稿します。