第六話「女の子の憎悪と復讐」
俺は王都エルメスに向けて出発した。
王都エルメス…シルフィール王国の王都…初代国王がエルメス・シルフィールから名付けられた。
よし、到着っと、馬車の旅も疲れたからな…丁度良いや…アイツん家にお邪魔しよう。
俺はある一軒家の前までゼノンと共に来た。
この朝早い時間なら、まだいるだろう。
「おーい、レオン。開けろ。」
俺がそう言い放った途端、家から物音が聞こえる…音が止むと、扉が開かれ、二人の少女が出迎えてくれた。
一人はホムンクルスのレオンハート…もう一人は家族を失った貴族令嬢…いや、ただの少女メルだ。
俺達は家に入ると、メルが紅茶を淹れてくれた。礼儀は知らんが、飲んでおこう。
…ッ!?美味い…美味いぞこれ。茶の淹れ方は一級品だな、こりゃ。
俺が舌鼓を打っていると、ゼノンが俺に話を振ってくる。
「ルイン様、ご用件は?」
「あぁ、悪い…用件はそこの少女、メルだ。」
「私ですか?」
メルはきょとんと首をかしげる。
「あぁ、お前の家族を殺した相手については知ってるな?」
この話はレオンハートから聞かされているはず…なら、いきなり本題でも良いだろう。
「ハビット・マルクスを殺さないか?」
俺はこう持ち掛ける。
すると、メルは強張るが…苦虫を噛み潰したような顔で答える。
「無理です。私では殺せません。」
違う…そんな答えが聞きたい訳じゃない。
「殺したいのか殺したくないのか、どっちだ?」
「わたしは…」
「奴等の人生を潰したいのか潰したくないのか、どっちだ?」
「潰したいです!私の家族を殺してのうのうと生きてる奴等が許せない!絶対に潰したい!」
「よく言った…ならば力が必要だな…」
システム設定を開き、メルのステータスを弄くる…とりあえずレベル50程のステータスにしといた…
そして、レオンハートに護衛を頼む。
「もしもメルに何かあった時の護衛…頼んでも良いか?」
「任せてよ、ルイン様。ボクは最強だからね。」
俺は席を立つとメルに一言告げる。
「メル、今のお前には復讐できる力がある。これはお前のステータス欄を見れば分かる。言いたいことは分かるな?チャンスは今だぞ。」
俺はそれだけ伝えるとその場を後にした。
短めです。いつもこんな感じになると思います。
それでも読んでくれると幸いです。