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第二話「覚醒」

俺は屋敷に戻ってから、様々なことを前世の記憶とメイドのやり取りでルインの設定をだいたい思い出した。

俺の名前はルイン・フォーネスト…フォーネスト辺境伯家の四男。現在、5歳。 

シルフィール王国フォーネスト領はマルタ帝国と接している。そして、フォーネスト領はマルタ帝国の侵略に備え、独自の軍の形成を許されている…その軍、総数1万。そして、その軍を束ねるのは父であるガノン・フォーネスト。設定上は武人肌な人だ…その筈だ…なのに…何故… 


「よしよし、ルインは今日も勉強して偉いな…流石はフォーネスト家の息子だ。」


こんなにも愛情を持って接してくれるんだろう? 

まぁ…嬉しいんだけどさ…単純ですみませんね。

…これはあまり作り込まれていないところは頭上の設定と違ってるのかも知れないな… 

そして、母…マロンも父と同じく親バカ気味… 

 

「ルインはもしかしたら神から寵愛を受けてあるのかも知れません。」


「そうかも知れんな!」


おいおい、ただ算数ができただけじゃないか…そんなに褒めることはないだろ。

俺がガノンをじっと見つめる…すると、ガノンが俺を片手で持ち上げる…


「よし、天才のルインに誕生日プレゼントをあげないとな…マロンも一緒にどうだ?」


なんと俺の誕生日プレゼントを買いに行くと言うのだ…まぁ、後3日で誕生日だし、まぁ、アリだな。買いたいモノもあるし…


「えぇ、ルインの6歳の誕生日まで後3日ですし、早いに越したことはないですからね。」


そうして、身支度をした俺達は家を出た。 

灼熱の太陽が俺達を出迎える…もう少し日差しが弱くても良いのだが…馬車に乗り込むし、関係ないか… 


馬車で歩みを進めること、10分…街に着いた…俺は初めて見る景色に圧倒された。出店に道行く人間とは違う種族…そんな景色を頬をつきながら、眺めていると一つの馬車と行き違いになる…が、俺はその対向にある馬車を見て、直ぐに馬車の扉を開け、対向にいる馬車を追い掛ける… 

おい、今乗っていたのは…もしかして… 

俺は大声で馬車の人を止める。 


「止まって!」 


すると馬車の人間も気付いたのだろう…直ぐに馬を止め、馬車から飛び降りる… 

  

「お坊ちゃん?どうしたのかい?」


俺は荷物をいるとはっきり分かった… 

今、檻の中に乗っているのは… 


「ゼノン…」


赤髪の悪魔…未来の魔王軍幹部…『人殺しのゼノン』…人間を憎み、人間をより多く殺した人間…彼が人間に恨みを抱くのは…魔王軍側近イリゼルの仕業である。イリゼルが全て国王がやったことだとでっち上げる…人間に酷い仕打ちを受けていた彼はその言葉を信じ、大量の人間を殺す…だが、死の間際にイリゼルから真実を言われる。そう、村を焼いたのは魔王軍だったのだ。それを知ったゼノンは深い絶望の中、死亡する。

そんな可哀相な設定にしたゼノンが何故ここに…もしや…焼かれた村の位置を設定していないから、偶々ここら辺になったのか?

俺が思考を巡らせていると、後ろからガノンとマロンが来る。 

俺はガノンの方を向き直り、懇願する…


「父上、俺、この奴隷が欲しいです。」


それも今できる勇ましい目で…真剣に欲しいという願望を父に伝えるのだ。

すると、父も真剣な眼差しを向ける。


「本当に良いんだな…」


…正直言えば、今日は魔道書か武器が欲しかった…だが、ゼノンを見て思った…俺が転生した意味を…俺は不幸な人間を救いたい…自己満であってもだ。それが制作者の俺ができる唯一の償い…俺が不幸な彼等を救うんだ。 


「うん、大事に育てる…道を間違えないように…」 


俺がそう答えるとガノンは大きな声で笑った。


「そうかそうか、奴隷を欲するか…それも将来有望そうな少年を…お前は先見の明があるのかも知れんな。」 


ガノンの言ってる意味が分かった。ゼノンの掌を見るとそこには大量のマメができていた。恐らく全てを奪われた悔しさで死ぬ程剣を振っていたのだろう。

だが、大丈夫だ。俺がお前の恨みを背負おう。お前の村を放火したイリゼル達は…俺が殺す。 


ー特典 開発者ー が発動しました。

ステータスが大幅に向上します。

以下のスキルが使用可能です。 

・創造

・破壊

・システム設定


…なんだ…これ…頭が…痛い…

俺は咄嗟に頭を抱える… 

なんだ…創造と破壊…それにシステム設定…

 

「ーー、おー、おい!大丈夫か?」


ガノンが俺の肩を掴む… 

びっしりとした力強い手が俺の肩に伝わる… 

俺はその感覚で意識をはっきりと戻した… 


「はい、大丈夫です。心配を掛けました。」


俺は返答をする…その頃には奴隷契約が終わっていた… 


「お坊ちゃん、買ってくれて、ありがとうございます。今後ともご贔屓に…」


そういうと商人が頭を下げ、馬車に乗り込み、その場を去る。

よし、良い買い物できたし、そろそろ帰ー


「どうしましょ。この子の服…一式は買いましょうか?」


「あぁ、屋敷に子供用の執事服は確かなかった筈…買って帰ろう。」


何やら買い物が続く気配がする…まぁ、良い…後でスキルを試してみよう… 

俺は馬車に体を揺られながら、服屋に向かった。 


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