彼女と屋上で話す(1)
「そういえばお互い名乗ってなかったよね、私の名前は神崎琴美よろしくおねがいするね」そうか、神崎琴美さんね記憶した。
「僕の名前は赤羽皐月高校二年生です、よろしくお願いします」
「あ、私の一個下なのね」高校三年生なんですね把握。
「先輩美人さんなのに、なんで落ちようとしちゃったんですか」僕はそのことがどうしても気になってしまい彼女に質問をした。
彼女の顔が急に赤くなった。僕が真剣な顔をしていたからなのか彼女の顔が戻っていく。彼女の可愛い顔を見れなくなったのは残念に思いつつ、真剣な質問なので彼女の話が始まるまで沈黙を貫いた。
「………私ね、クラスの女子たちにいじめられてたの」神崎先輩は重々しくそのことを語り始めた
「遡ること二年半くらい前だったかな私はこの学校に入るためもう勉強したのよ。」
「私はね、受験を受けて受かってウッキウキで高校生活を謳歌する気だった。でもそんなことはおきなかった、何故かというと私入学初日から浮いていたのよ。私は理事長の娘でね、みんな私のことはよく思っていないのよ」神崎先輩からの悲痛な叫びに僕は何も言ってあげられなかった。
「れでね私はクラスの浮いた存在になったの。クラスの女子達はそれが絶好のチャンスだと思ったのか、私に嫌がらせを始めたの」
「最初の方は嫌がらせも酷くなかった。陰口だったりバッグが机に置かれていたり。でもね、私は何も言わないという選択をしてしまったの。私はすぐに舐められ、いじめが酷くなっていった。筆箱がなくなっていたり、机の中にゴミが入っていたり。」
「二年半くらいそれがおこって。それに耐えきれなくなって私は今ここにいるの」僕は沈黙を貫いた、多分まだ彼女は全て吐き出しきれてない。そう感じたから待ち続けた。すると、彼女は重々しく口を開いた。
「………わかってるよ、もし誰かに伝えていたらこんなことは起きてなかった。でも私は親に心配をかけたくなかったんだよ。誰にも心配かけたくなくて、、誰にもいえながったの」神崎先輩は目から雫を流していた、だからそっと、彼女の事を抱きしめた。
多分今彼女に必要なのは人の温もりだろう。この状況に僕が陥っていたら温もりを求めていただろう。抱きしめると彼女はさらに大粒な雫を流し声を大きくしていた。
僕は彼女の気持ちが痛いほどわかる。だから、彼女にはすべて吐き出して欲しかった。多分、いや絶対に楽になる気がした。そして、彼女が落ち着くまでずっと抱き締めて離さなかった。