第425話 戦いの火蓋が切って落とされた
大幅加筆修正しました!
「隊長、作戦のことで確認したいことが……」
「あぁ、分かった。今すぐ行く」
部下に声をかけられたライドは、小さく頷くと目の前にいる3人に向かって再びお辞儀をする。
「では皆さん、よろしくお願いいたします」
「「はい!!」」
「は~い」
カトレアとラピスの気合の入った返事と、マーザスの気の抜けた返事を聞いたライドは、小さく笑みを浮かべると、部下と共にその場を後にした。
すると、先程のライドの会話を思い出したラピスはマーザスに話しかける。
「マーザス殿」
「何かな?」
「先程のライド隊長との会話で『ロスペル殿からお願いされた』と話されていましたが、いつからそのようなお願いをされていたのですか?」
「あ、それ私も気になりました! いつ、師匠からお願いされたのですか?」
『僕はただ、弟弟子から『この国を助けてくれ』ってお願いされたから、それを聞いてあげただけだよ』
(レクシャ様からそのような約束をされたとは聞いていないが)
ラピスとカトレアから問い質されたマーザスは、にこやかな笑みを浮かべたまま何でもないような口調で答える。
「いや、そんなお願い事、弟弟子からされていないよ」
「「え?」」
((それじゃあ、さっき話していたお願いごとは嘘?))
唖然とする2人に、マーザスは楽しそうな笑みを浮かべながら話す。
「僕はただ、こっちの面白そうだったから彼らの護衛を兼ねて来ただけ。あ、でも弟弟子や君達を助けたいのは本当だよ。それに、皇帝陛下からはちゃんと許可はいただているから」
「は、はぁ……」
ニコニコと笑っているマーザスに、ラピスがライドと同じく困惑していると、隣で聞いていたカトレアが呆れた顔でラピスの肩を叩く。
すると、大広間の真ん中に置かれた魔道具が光り、レクシャの声が部屋全体に響き渡る。
『皆の者。先程、ロスペルからノルベルトが王城の地下にある魔法陣に魔力が注がれた事が報告された。注がれた魔力量からして魔法陣が崩壊するのも時間の問題である。各自、作戦に従い、迅速な行動を頼む』
「「「「「「ハッ!!!!!!」」」」」」
(ついに……!)
(いよいよ……!)
大広間にいるカトレアとラピスが揃って拳を握る。
『これより、ペトロート王国奪還作戦を開始する!!』
「「「「「「ハッ!!!!!!」」」」」」
魔道具から聞こえたレクシャの作戦合図。
その瞬間、広間にいた全員の緊張感が最大値に達し、魔道具に向かって大声で返事をする。
こうして、ペトロート王国をノルベルトの魔の手から奪還する時が来た。
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