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第423話 カトレア合流

 王都から遥か東、隣国フィアンツ帝国との国境にある森の奥。

 本来ならば結界魔法を補助する魔法陣がいくつか敷かれている場所が、今ではノルベルトの改竄魔法の増幅装置となり果てた魔法陣がいくつか敷かれている場所に成り果てた。


 そんな場所には、帝国産の魔道具で隠蔽魔法がかけられ大きな屋敷があった。


 大規模作戦の拠点の一つであるその屋敷の大広間には、銀色の鎧にマントを身に纏った騎士達と、黒いフードで顔が隠れた魔法師らしき者達が集まっていた。



「いよいよね、ラピス」



 大広間に集う者達は皆、レクシャの考えに賛同した協力者達。

 そして、レクシャを『腹黒宰相』と呼ぶフィアンツ帝国皇帝の命によりはせ参じた者達である。

 そんな人達の中に、騎士達と同じマントを身に纏った1人の宮廷魔法師と騎士がいた。


 彼らは、フィアンツ帝国で記憶を取り戻し、レクシャの協力者になることを申し出たあの日から、周囲に人達を欺きつつこの日のために鍛錬を積み重ねてきた。


 全ては、7年間孤軍奮闘してきた親友を助けるために。


(師匠のお陰で、記憶が改竄される前の状態にまで戻った。あとは、時を待つだけ)



「カトレアか。早かったな」

「うん、思った以上に早く抜け出せてね。それよりもラピス、いつになく険しい顔をしているけど何かあった?」

「それが……」



 協力者達が大広間の真ん中に置かれた正方形の魔道具を凝視している中、小首を傾げたカトレアから問い質され、顔を歪めたラピスが答えようとしたその時。

 2人の後ろから緊張感漂う空間にはあまりにも相応しくない穏やかな声が聞こえた。



「おはよう、カトレア嬢にラピス君」

「「おはようございます、マーザス様(殿)」」



 そう言って、振り返った2人が深々とお辞儀をしたのは、ロスペルの兄弟子であり、カトレアとラピスの改竄魔法を解いた張本人である、フィアンツ帝国筆頭宮廷魔法師マーザス・アラウェイである。



「2人とも、そんなに緊張しないで。特にカトレア嬢。そんなに殺気を振りまいていたら、いくら隠匿魔法で隠していても、あっという間に見つかっちゃうよ」

「あ、すみません」

「それに、ラピス君も。カトレア嬢が合流する直前に何かを話してから僅かに殺気立っているけど、十分見つかるくらいの殺気だから止めた方が良いよ」

「も、申し訳ございません」



 頭を上げたラピスが気まずそうに顔を逸らしている傍で、カトレアとオロオロとしている姿に周囲にいた人達の緊張感が少しだけほぐれた。


(そうそう、いつも通りじゃないとレクシャ様の望まれた結果には繋がらないよ)


 苦笑する周囲の協力者達を見て、マーザスが笑みを零すと、一際体格の良い騎士が声をかけてきた。



「おはようございます、マーザス・アラウェイ様。改めてではありますが、私は今回東の地区を担当させていただきます。第二騎士団第一部隊隊長、ライド・フェルナンデスと申します。今回は我らが国の一大事に駆けつけていただき、団長に代わりまして感謝申し上げます」



 騎士らしく律儀に深々と頭を下げるライドに、飄々とした笑みを浮かべたマーザスが手をひらひらとさせる。



「いいよ。僕はただ、弟弟子から『この国を助けてくれ』ってお願いされたから、それを聞いてあげただけだよ」

「そ、そうですか……」



 マーザスの言葉に困惑するライドは、すぐ横にいるカトレアに気づくと深々と頭を下げる。



「ティブリー嬢、予定よりも早い合流ですね」

「えぇ、思ったよりも早く仕事が片付いたものですから」

「そうだったのですね」



(と言っても、単に出世欲が高い人に私の仕事を押し付けただけなんだけどね)


 淑女らしい笑みを浮かべるカトレアとその隣にいるラピスを見たライドは、カトレアに心配そうな目を向ける。




最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!


というわけで、ここからレクシャのペトロート王国奪還作戦が本格的に始まります!


囚われの身になったフリージアを救い、ノルベルトからこの国を取り返すことが出来るの!?

(また、ここからしばらくの間、フリージアは全く出てきませんw)


そして、ブクマ・いいね・評価の方をよろしくお願いいたします!

(作者が泣いて喜びますし、モチベが爆上がりします!)


4/26 加筆修正しました。よろしくお願い致します。

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