閑話 夜会のあと
過激な表現が出てきます。ご注意下さい。
「ん、んんん……」
心地良い気だるさで目が覚めた私は、魔道ランタンの火に仄かに灯された真っ白な天井に大きく息を吐くと、シーツを手繰り寄せて起き上がった。
「確か、夜会で色んな殿方を漁って、その後は……」
すると、後ろから逞しい腕が伸びて、生まれたままの姿でいる私に抱き着いた。
「キャ!」
「おいおい、そんな可愛い声を出したら他の奴らが起きちゃうだろ?」
そう言って、後ろから抱き着いてきた男の視線を辿ると、キングサイズのベッドの上で、見目麗し殿方達が上半身裸のまま眠っていた。
そうだった。夜会で出会ったお気に入りの殿方、いつもの高級ホテルでさらに濃密な時間を過ごしたんだった。
「ウフフッ、ごめんなさい。でも、そっちの方があなたも燃えるでしょ?」
後ろを振り返った私は、抱き寄せてきた殿方に妖艶な笑みを向けると、シーツを手放してそっと彼の顔を両手で包んだ。
「フフッ、そうだな。バレるかバレないかのギリギリを楽しむ時間も悪くない」
そうして私は薄暗い中、見目麗しい殿方との濃厚な口づけを堪能していると、彼の手が生まれたままの姿でいる私の体をゆっくりと撫で始めた。
「あっ、ちょっ、キャッ!」
「全く、あなた様の体は本当に厭らしい。夜会でも、ここに来てからも、たくさんあなたの体を隅から隅まで堪能したのに、まだ足りないと体が欲している」
「そ、れは! あなたが、私の、体に、火を、つけるのが、上手、だから、でしょ?」
「っ!?」
仕返しとばかりに殿方の一番敏感なところを一撫ですると、彼の体が一瞬止まった。
ウフフッ、昨日の夜会で女の体を覚えたばかりだから、体が全然初心なのね。
彼の反応に気を良くした私は、口づけをしたまま彼を押し倒した。
すると、寝ていた殿方達が起きてきた。
「ううっ……ん? 何だ? 夜が明ける前に2人で盛っているのか?」
「あら、そんな言い方……まぁ、否定はしませんけど」
殿方を押し倒している私を見た他の殿方達は、小さく笑みを浮かべると私たちの方に近づいてきた。
「それじゃあ、寝る前の続きをしても良いってことだよな?」
「えぇ、良いですわよ。それに、こちらの部屋は宰相家令嬢である私専用の部屋ですから!」
「ハハッ、さすが宰相家令嬢だぜ」
「そうだな。それではお言葉に甘えて続きをしようか」
ここにいる殿方は、全員が私の魅了魔法にかけられた上位貴族の子息様達。
全員がいずれこの国の……いえ、魅了魔法の使い手であるこの私の下僕として働く者達。
まぁ、難しいことは全部この国の宰相であるお父様に任せればいいんだけど。
「あっ、もう、いきなり、そんなに激しくしたら……」
「おいおい、激しくしているのはあなた様ではないのか?」
「そんなの、嘘に、決まっている、でしょ」
押し倒した殿方から与えられえる快楽に身を委ねていると、後ろにいた殿方達が欲望のままに私の体を弄ってきた。
「もっ、もう!」
「ごめんな、でも俺たちも我慢できなくて」
「そうだな。だから、俺たちも好き勝手させてもらうぞ」
あぁ、下からの刺激も後ろからの刺激も最高に気持ちいいわ~!
高貴な私に快感を与えてくれる殿方達に、後ろを振り返った私は彼らを誘うように顔を近づけた。
「良い、わよ! この中で、私を、満足させた、人が、次の、相手に、なって、あげる♪」
「おぉ! さすが、宰相家令嬢だな!」
そうよ、今の私は宰相家令嬢。誰も逆らうことが出来ない、この国で一番偉くて尊ぶべき人なんだから!
「それに、しても、あれから、カトレア達を、見て、いないわね」
別の貴族から『帰った』って聞いたけど……
「おいおい、よそ見をしている余裕があるなら、もっと激しくするぞ!!」
「あああっ!!」
そうよ、これ! この息をも許さない刺激を待っていたのよ!
とりあえず、彼らとの甘くて濃密な時間を楽しまないと!
そうして、私は再び彼らと熱くて甘美な時間を楽しんだ。
「カトレア様、こちらのラピスラズリのネックレス。どうされますか?」
長くて短い夜が明けようとしている時、殿方達が寝ている間に私を迎えに来たメイドが、ベッドに落ちていたネックレスを拾い上げた。
それを見た私は即答した。
「あぁ、捨てていいわ。それか、あなたにあげる。そのネックレス、あまりにも地味すぎて、高貴な私に似合わないから」
最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます!
今回は、ガッツリ大人な表現が出しました。
貴族令嬢らしからぬ淫乱なダリアを楽しんでいただけると幸いです。
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(作者が泣いて喜びますし、モチベが爆上がりします!)