教えてユニィ先生 vol.2
まさかのvol.2
本編でいうと61話や65話に対応しています。
61話
https://ncode.syosetu.com/n1546hj/64/
65話
https://ncode.syosetu.com/n1546hj/68/
ここは――どこ?
僕はいつものように微睡んでいたはず。
それなのに――
うーん。
目の前にユニィがいるから聞いてみよっと。
――って、あれれ?
その格好はもしかして――
「さぁ。今日も楽しい物理学の講義ですよ」
『はいっ。先生!』
僕はいつの間にか生徒になっていた。
そう。
きっとまた例のアレだ。
だから――僕は細かいことは気にしないことにした。
だって夢だもん。
それよりも――
『先生! 僕、気になっていることがあるんです』
「何かな? リーフェ君」
『この前覚えた『サーチ』の術なんですけど、何で人族には紫の光が見え難いんでしょうか?』
ユニィは何とか見えるけど、つるつるおじさんには全然伝わらなかったからね。
他の脚竜族がいなかったら、信じて貰えなかったかも。
「そうですね――簡単に言えば、周波数が可視光から少し外れているからですね。恐らく周波数が360~380nmなのでしょう」
はい。ごめんなさい。先生。
全く簡単じゃありません。どうか日本語を喋って下さい。
――あれ? 日本語ってなんだっけ?
困惑する僕の表情に気付いたのか、ユニィ先生が補足してくれた。
「見える色の範囲にも強さにも――種族や個人の差があるんです。鳥の一部は紫外光も見えるって言いますし――脚竜族も紫外光が見えるんですね。きっと」
ユニィ先生は微笑みを浮かべて頷いている。ユニィ先生の中では、この話はこれで終わりということなのかな?
うーん。
「しがいこー」が何か良くわからないけど――結局脚竜族は人族より紫色がよく見えるってこと――なのかな?
あと、脚竜族は鳥の仲間??
モヤモヤするけど――まぁいっか。
「他に気になることは?」
『はい!』
ユニィ先生の問いに、僕は手を挙げた。
ふたりしかいないから何の意味もないけど、この場の雰囲気だ。
「はい。リーフェ君」
ユニィ先生が指し棒で僕を指し示す。
これもこの場の空気がそうさせているだけだ。多分。
『そういえば、何で『サーチ』の光は物を貫通できるんですか。おかしいですよね?』
そう。
『サーチ』の光は石の壁とかもすり抜けていくけど、普通光が物に当たったら光は遮られて影になるよね?
裏側に光は貫通しないよね?
「なに言ってるんですか? 『サーチ』は光が貫通してるんじゃなくて、2点間を結ぶ力の導線が光っているだけですよ?」
『え?』
ユニィ先生のさも当然といった態度を見て、僕は思わず間抜けな声を上げてしまう。
「だいたい、空気中を通過する光線が見えるわけ無いじゃないですか」
『え?』
ユニィ先生は笑っている。僕は話についていけない。
「光線が見えると思っているのは、空気中のホコリに光が当たって、ホコリが見えているんですよ」
『なんだってー!』
とりあえず驚いた顔をしておいた。
――でもね、ユニィ先生。
レーザービームといったら太くて光る光線だし、ビームソードといったら光の剣でしょ。
僕、どこかでそんな文献や映像資料を見たことあるよ? それもいっぱい。
いい加減な事を言うとみんなに怒られるよ? いや本当に。
目覚めた後で、きっちりしっかりユニィ先生に注意しておいた。
なんか「ポカーン」って顔をされた。
大事なことなので、繰り返し注意しておいた。
※本物語はフィクションです。
※ビーム○○とか、世間には似たような名前の創作物があるかもしれませんが、全て偶然の一致です。掘り下げたい気持ちは宇宙空間に射出してしまいましょう。