プロローグ
プロローグ
「もう、朝か……あの日から今日で3ヶ月目」
薄暗い部屋のベッドで俺は目を覚ます。
部屋は数台のパソコン、アニメやゲームの美少女フィギィアやポスターが飾られた、オタク部屋。
そして、部屋の主である俺。
丸々太った体型に眼鏡、ボサボサの長い髪を寝癖まみれにして、アニメキャラがプリントされたシャツを着ている。
俺の名は、真壁信長。
高校を中退してから現役のニートを貫いている
二十歳になる。
なぜニートになったのか理由は高校生時代の虐めが原因だ。
アニメやゲームが好きな彼はオタクの道に走っていた、その趣味やまた見た目などを馬鹿にされ同じクラスメイト……つまりは陽キャグループの虐めの対象にされてしまった。
彼は虐めに耐えかねて高校を中退して部屋に引きこもってしまった。
そのまま、ズルズルと年月が経ち今の俺が居るのだ。
「今日こそは外に……優梨の見舞いに行かなくては」
俺は外に出掛けるため、服を着替えるため行動を開始する。
真壁優梨――俺の妹だ。
兄である俺が言うのもあれだが、超絶美少女で優しい性格のかわいい妹である。
オタクである俺を軽蔑せず、話をかけ一緒にゲームをしてくれる。
でも、優梨は今はこの家には居ない。
3ヶ月前に起きた事件。
テレビやネットのニュースになり世界を騒然とさせた。
――ゲームで100人の人間が意識を失い目覚めることのない事件が。
優梨は100人の内の1人だ。
原因は俺だ……俺は小遣い稼ぎをするために開発途中やリリース前のゲームをプレイする、ゲームテスターだ。
ゲームテスターとは、簡単に説明するとゲームの不都合つまりは、バグなどがないかを調べる仕事である。
それが、なぜ優梨が意識不明になった原因なのかは事件が起きたゲームこそが俺がテストプレイする予定だったゲームだった。
優梨も俺と同じゲームテスターをしていた。
その時、俺は別のゲームのテストプレイが終わらず優梨に原因のゲームのテストプレイをお願いしてしまった。
そして、ゲームの名前は……
――勇者の世界で生きていきます――
このゲームはVRを使った体験型ゲームであり、
今、流行りのMMORPGゲームである。
だが、このゲームを始めた瞬間100人のテストプレイヤー達が意識を失った。
まるでゲームが生きてるかのように人間の精神を奪った。
「準備はできた、よし」
俺は準備ができ部屋を出ようとした時
俺のパソコンにメールが届く。
「メール?誰だ?」
俺はメールを確認する。
――勇者になり世界を救いませんか?――