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Ep.3-26

部屋掃除してたら投稿するのちょっと遅れてしまいました……

ストック切れかけなので今夜と明日で書き溜めしましょ。

「——ごちそうさま」


エリオスはそう言って舌をぺろりと出して見せた。エリオスの周りには、先程まで殺到していた兵士たちの姿はなく、おびただしい量の血痕と僅かばかりの肉片が不恰好な円を描いているだけだった。

そんな様に、アリキーノは思わず息を呑む。何をされた? 一体あの男は何をした?

しかし、混乱しながらもアリキーノは司令官としての務めを果たすことについては冷静だった。

——まだ、エリオスの拘束は解けていない。彼は未だに身動きをとれないでいる。ならば、まだ自分達は好機を逸してなどいないのだと確信を持つに至った。


「——第二術式、展開!」


アリキーノは叫ぶ。

その言葉に連動するように、再び魔術師達が前へと進み出て、杖を掲げ、呪文を揃って唱え始める。

その瞬間、エリオスの足元に新たな魔法陣が浮かび上がる。彼を鎖で縛り上げたときのモノとは明らかに違う、複雑かつ精緻な魔法陣にエリオスは感嘆の声を漏らした。


「——! ふぅん、ここまでも予測済み、か。流石はアリキーノ子爵殿」


余裕綽々と言った笑みを浮かべたエリオスに、アリキーノは顔をこわばらせたまま叫んで返す。


「この手は使いたく無かったのですがね! 貴方は危険すぎる——捕縛は諦め、ここで死んでいただく!」


「——へえ、そう」


アリキーノの言葉に、エリオスはそう返すと少し身を捩ってみせる。しかし、鎖は外れないどころか緩みもせず、かえって彼の身体に食い込んでいく。アリキーノはそんな彼の姿を鼻で笑う。


「逃がしはしませんよ」


「そうみたいだね——もっとも、そんなつもりもないのだけど」


エリオスはそういうと、ちらりと辺りを見渡してみる。そして小馬鹿にするように鼻を鳴らしてみせる。


「——君たちはあの女魔術師(リリス)よりも優れた魔術をみせてくれるのかな?」


そんなエリオスの挑発に、アリキーノは小さく舌打ちしてから、腹立たしげに、されど慇懃に返す。


「——保証しましょう。彼らは彼女にはその才能では及ばないが、経験を積んだ精鋭たる魔術師ですからね。それがこの数——圧倒的な出力差、数の暴力というヤツをお見せしましょう」


「――司令! 展開準備、完了しました!」


魔術師兵の一人――おそらく彼らの頭目であろう――が、アリキーノに向かって叫ぶ。魔法陣が展開しておよそ十数秒。時間だけで言えば、リリスの大魔術『絶獄の檻、今誅を下せ(ケイジュ・デモ―ト)』よりもはるかに術式展開が早い――尤も、アリキーノによる事前の準備指示があったからだろうが。

アリキーノはその報告を聞くと、満足げにうなずいて右手を上げる。


「よろしい。では、悪役(ヴィラン)殿にレブランク王国魔術師団の偉大さを見せてやりなさい」


「は――術式構築、完了。方陣励起、完了。極大消除魔法、展開します」


そう言って、頭目魔術師は杖をひときわ高く掲げて起動呪文を高らかに口にする。


「極大消除魔法――『太極接触・混沌原初(インテリ―トゥム)』」

最後の呪文、モデルはドラクエのメドローアだったりします。詳しくは次回。


あと2,3話でアリキーノ率いる軍勢との戦いは終わりかなーと。それ以降の話は、章(Episodeのナンバリング)変えて書こうかまよってます……でも流れ途切れそうだなとも……

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