Ep.3-2
FGOの生放送見てたら投稿するのをすっかり忘れてました。申し訳ありません。
眠い目をこすりながら、シャールはその白く細い脚を布団から顕す。ベッドから降り、少しぶかぶかとしたスリッパに足を引っ掛けて窓際へとふらふら歩いていく。アリアに与えられた白いレースのベビードールの裾から覗く白い太腿はちらちらと揺れる赤い光に染められていた。
シャールは厚手のカーテンに手を掛けて、それを引き開ける。その瞬間、目の前が真っ赤に染まった。窓の向こうの森には赤い光が満ちている。
「え——な、に?」
その異常さにようやく気が付いたシャールは、窓ガラスを開けてバルコニーに飛び出した。そして眼下に広がる光景に絶句する。
「え、なに‥‥‥何なの‥‥‥」
赤い光の正体——それは幾百、幾千もの松明や篝火だった。そしてその赤い光の中に、蠢く人影が見える。彼らの掲げる旗、そして彼らが身に付けた鎧の紋章を見た瞬間、シャールは心臓をぞろりと撫でられるような錯覚に陥った。
「レブランク王国軍——! どうして、こんなところに‥‥‥ううん、それよりも——」
シャールは館の周りをぐるりと見まわす。そして、シャールは理解した。今この館はレブランク王国軍に完全に包囲されているということに。
館を囲む兵の数は、少なく見積もっても千はくだらないだろう。周りの森を切り開いて、簡素ながら野営の陣を形成している。剣に槍に弓、魔杖で武装した正規兵団。砦の一つでも落としに行くような規模の兵団がたった3人だけの館を囲んでいた。
「——どうして‥‥‥」
いや、理由が思いつかないわけではない。転移魔術で王国に帰還したリリス——彼女が国王に、ルカントがエリオスに殺されてしまったことを報告したのだろう。この軍は、その報復? だとするのならば、この大軍勢も納得が出来なくはない。リリスがエリオスの圧倒的な力を報告したからこその軍勢なのだろう。それでも、幽かな違和感が胸の奥でちりりと焦げ付くように残っていた。
しかし、いつまでもここで考え込んでいる暇はない。動かねば―――
「動くって——どうするの?」
踵を返しかけたシャールは、ふとそう独り言ちて動きを止める。
エリオスたちを起こして異変を知らせる? 彼らは敵で、ルカントたちの仇だ。それを討伐しに来たレブランク王国の兵たちの邪魔をする理由などあるのか? 否、それはむしろ自身の役割に背く行為だろう。しかし、胸の中に蟠るナニカにシャールは顔を顰める。
「勝てるの——? あのエリオスに?」
そうだ。そもそも彼らはエリオスに勝てるのか? ルカントを瞬殺し、アグナッツォもミリアも歯が立たない、リリスも知らない魔術を操るエリオスにあの軍団で勝てるのか? ただ、無駄に兵を死なせてしまうだけではないのか?
そうだ、ならば彼らがエリオスとぶつかる前に引き帰させなければ。兵士たちを無駄死にさせるわけにはいかない。
「行こう——」
静かに、自分自身に言い聞かせるようにシャールはそう独り言ちた。




