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Intld.Ⅲ-xviii

FGO2部6章が終わりまして……はぁ……

「我が問いにお答えあれ。猊下は、エリオス・カルヴェリウスという悪を以って魔王に立ち向かうことを如何にお考えか。神の尊ばれる秩序を乱すとはお思いにはならないか?」


ザロアスタの問いかけに、ユーラリアはびくりと全身を震わせた。

レイチェルは、ザロアスタに何事か言おうと口を開きかけたが、途中でそれをやめる。彼の問いは、自分の中に蟠る疑問でもあったからだ。

レイチェルは一度、エリオスを殺そうとした。それは、彼が危険だと思ったから。最高巫司であるユーラリアに引き逢わせるべきではないと考えたからだ。単に、彼が人を殺すことにためらいを覚えない危険人物で、ユーラリアを害するかもしれないと思ったからだけではない。彼は、ユーラリアの持つ神聖さや気高さと言ったものをも徹底的に踏み躙り、嘲弄し、壊してしまうような気がしたことも大きかったのだ。

そして、彼と一旦の停戦協定を結び、協力関係を取り付けることに成功した今でも、レイチェルは疑問に思っている。本当に良かったのか、あの悪人を正義の象徴たるユーラリアに近づけてよいものなのだろうかと。そんな考えがあったからこそ、レイチェルはシャールからの提案を受けたのだ。


「――猊下、私もザロアスタ卿と同質の疑問を持っています」


「レイチェル……」


「私は猊下にお詫びしなくてはならないことがあります。私は一度、猊下の御意思に背こうとした。エリオス・カルヴェリウスと接触した際、御身の御意思に反して彼を殺そうとしました。それは、彼という邪悪を、脅威を私が許容できなかったからです。そして今も、私は彼を殺すべきだと考えている――どうぞこの私を、不忠の騎士と咎め、裁いてください。それでも、お聞かせ願いたいのです。猊下は、彼という悪を聖教会に引き入れることにためらいは無いのかと」


真っすぐなレイチェルの視線を受けて、ユーラリアはわずかに表情を曇らせる。そしてザロアスタとレイチェルの顔をかわるがわる見つめながら、大きくため息を吐いた。


「レイチェル、こちらにおいでなさい」


「は――」


レイチェルはユーラリアの求めに応じて、一歩前に進み出る。そして、彼女の目の前で跪いた。


「顔を上げなさい」


「は――ッ!?」


ユーラリアの声に応じて顔を上げた瞬間、レイチェルの表情が凍る。彼女の手には鞘に収まった剣が握られていた。白い、純白の剣。レイチェルはそれが自分が今腰に佩びているシャスールと同質のものであることを直感した。


「げ、猊下!? 何をされるおつもりかッ!」


ザロアスタが動揺したような声を上げる。そんな彼をユーラリアは一瞥すると、彼女は剣をわずかに抜いて、鞘からその刀身を露出させる。透き通る氷のような美しさにレイチェルは思わず心を奪われる。そんな彼女を前にして、ユーラリアは口を開く。


「我が威を示せ、『律鎖』のマナフよ」


その瞬間、彼女の持つ聖剣の周りの空間が歪み、そこから何本もの白い鎖が飛び出してくる。その鎖は東屋の中を奔りながら、あっというまにレイチェルを縛り上げる。レイチェルにはそれに反応する間も、抵抗する術もなかった。そんな彼女に、ユーラリアは告げる。


「裁いてください――そう言いましたね、レイチェル。それではその言葉に答えましょう。私の命令に、意思に反した貴女に、私が誅罰を与えましょう」

取るに足りない話ですが


すごい作品を見た後って、自分の稚拙さとかが嫌すぎて、筆を粉砕したくなるのですが。とりあえず、この作品は何がなんでも最後まで書き上げたいな、などと決意を新たにするのでした。

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