16 自分のミは自分で
俺達は、ムァクナイに向かう馬車に揺られている。どんぶらこどんぶらこと。
そんな俺は、今かなり危険な状態にさらされている。何を隠そう、俺はドの次のレの次がケツから出そうになっている。
腹を刺すようなポンポンペインに耐えながらも、俺は嫌な汗を額ににじませる。
「これは……まずいかもしれないな……」
地味に馬車の衝撃が俺の桃を刺激してくることによって、コウモン様からモモタローを輩出させるのを促進する効果が出ている。
その時、馬車がガタンッと跳ねた。
「ぐぅっ……ぐああ……!!」
危ない、今のはとても危なかった。こんな馬車の中でビッグベンアタックをかましてしまうところだった。マジでこれはやばい。フンバルトミーデル。
「ハァ……ハァ……」
限界は近い、すぐそこまで歩み寄っているそいつは、ここから出せと叫んでいる。ギュルルルルルルルと鳴き声をあげる度に、俺は表情を歪ませるしかない。
「だから先ほど済ませておいた方が良いと言ったではないですかご主人様」
シヤが何か言っているが、それをまともに聞いている余裕はない。
孤独な戦いだ。過酷で孤独な戦いを、俺は生き抜いていかないといけない。
そして、この糞闘記は次の休憩まで続くことになる。そこまで持ってくれよ、俺の体!!
休憩になった途端、俺はとんでもないスピードで走っていった。モモタローはうちでは飼えないので、森に返すしかなかったのだ。
ロンドンの時計塔を済ませた俺は、とてもすっきりした表情をしていた。
しかし、この旅路も早いもので、もうこの休憩を最後に、目的地であるムァクナイに着こうとしている。
旅路の最後の方で大惨事、文字通りの大惨事を引き起こさなくてよかったと思っている。