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原始人(?)な俺とお金持ちのお嬢様  作者: ねこ丸
第一章
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東雲藍子は東雲藍子だけど、ちょっと? 違った

見間違えか? 俺は窓際の席に着いた後。もう一度その東雲藍子そっくりさんを見た。

うん、そっくりって言うか東雲藍子だ。

栗色の内側に伸びたショートヘア。おっとりした目つき。

しかも、隣にいる美代の一つ前の席に座っている。



気になる所だが、宮藤先生がホームルームの話を始めたので、そちらに耳を傾ける。



「今日は欠席0、いつも通りだな。一限目まで遊んでな~」



耳を傾ける必要さえなかった。



そうして宮藤先生が出て行くと。



「なぁお前マジで2000年代生まれなのか!?」



「なんで今になって起きたの!?」



「昔の話教えて~!」



ドッと生徒が詰めかけて来て、俺は質問攻めにあった。



「いや、あの……」



そんな風に俺が困っていると。



「はいっ、皆さんそこまでっ」



パン。と手を叩いて、見えない位置で誰かが立ち上がった。



「あ、東雲さん」



東雲? やはり?



「関くんには教科ボードの見方とかを教える必要があるので、今は駄目ですよ。後、一斉に押しかけないこと、分かりました?」



東雲さんがそう言うと、みな自分の席へ戻って行った。



そうして俺のすぐ近くまで東雲さんが寄ってくる。



「えっと、東雲さんって言うの?」



「はい。そうですよ」



東雲さんは笑顔で言う。

そうして、話を続けた。



「私の名前は東雲藍子。このクラスの委員長をやってます」



「東雲・・・・・・藍子」



「ん? どうかしましたか、関くん?」



東雲さんが首を傾げたので、俺は。



「いや、俺の居た時代の幼馴染の同級生に、東雲藍子って子が居てさ……」



と言うと。



「それは私の祖先ですね。それでなんでか知らないけど、私も藍子って名前に……」



「そう……だったんだ」



知ってる顔だが、初対面で距離感を感じた俺は、少し寂しさを感じた。



「関くんはご先祖様の事、なんて呼んでいたのですか?」



「えっと、藍子って呼び捨てにしてたよ」



「じゃあ私の事もそう呼んでくれていいですよ」



思いもしなかった言葉に、俺は目を丸くする。



「ど、どうしました? まさか具合が悪くなったり?」



心配そうな顔で、藍子は俺のおでこに手を当てる。



「熱は……なさそうですね」



「あはは、いや、なんていうかさ。未来なのに一瞬昔に戻った気がして、ちょっと驚いただけだよ」



俺がそういうと、藍子は慌てて手を離して。



「そ、そうだったんですね。ごめんなさい変な勘違いをして……」



赤面しながら言った。



「良いよ。これからよろしくな、藍子」



俺が笑顔でそう言うと。



「こ、ここ、こちらこそ不束者ですがよろしくお願いします!」



と、なんか気になる言い方をして頭を下げた。



「って、そうじゃなかった。机の使い方教えてあげますね!」



そう言って、もう一歩藍子は近寄ってくる。



「……ここがこう、か?」



「そうです。関くん要領いいですね! もう私が教えることが無くなっちゃった」



「いやいや、藍子の教え方が上手かったんだよ」



俺は素直にそう言った。そうすると、藍子はまた少し赤面した後、真剣な顔つきになった。



「ちょっと……お話ししても良いですか?」



「な、何?」



真剣な話なのだろうと、俺は肘をついていた手を戻して、藍子の方を向いた。



「私のご先祖様。私と同じ名前の東雲藍子は、関くんが植物人間になったことで、ひどく落ち込んでしまったらしいんです」



「そう、だったのか」



過去の藍子には、どうやらかなりのショックを与えていたようだった。

ふと、罪悪感に苛まれ、俺は顔を暗くする。



「でも、なんとか立ち直ったんですって、それで、その藍子が子供を授かったから私が居る訳で・・・・・・」



「……?」



「な、なんだか素敵な出会い、そんな感じ、しない……ですか?」



チラチラとこちらを見ながら藍子が言う。



「そうだな! まさかこんな理解者が現れてくれるなんて、思いもしなかったよ!」



「良かったです! 私と、これから仲良くしてくださいね!」



「おう、よろしくな藍子」



俺たちは信頼の証に、握手した。



「なーにやってんのよ、亮太」



ふと、そんな横やりが飛んできた。美代の言葉だった。



「じ、神宮司さん?」



「東雲、あんたあまり余計なことは吹き込むんじゃないわよ? こいつはあたしが管理してるんだから」



そう言って俺のことを睨み付けてくる美代。



「駄目ですよ! 関くんはアンドロイドじゃなくて人間なんだから、そんな言い方しちゃ!」



藍子はどうやら俺に味方してくれている様だ。



「原始人はね、神宮司家が管理してたの」



俺はここで気になる言葉を拾って、そして聞いてしまった。



「神宮司家が……管理? どうして?」



「え? あ、違う! そうじゃなくて……えっと」



慌てる美代、その顔は何か違う言葉を探そうと必死だった。



「違うってことは、つまり関くんは関くん、ってことですよね?」



揚げ足を取るように藍子が言う。



「そ、そういうことだけど、それが東雲となんの関係があるのよ」



「私と関くんが仲良くなるのって、何にも問題ないですよね?」



「ふぇ!? ま、まあそうね」



藍子の顔は俺からは見えない。

しかし、青ざめた美代の顔から、なんとなく察することは出来た。



「じゃあこれからよろしくね。関くん」



「は、はい!」



そう言って、未来の藍子は1限目が始まるから、と席に着いた。

なんだか、俺は少し寒気を感じた。

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