出会い2
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「ねぇ。あなた誰なの?それにその格好はなに?」
アゼリアは自宅の前に横たわっていた男にどこか愛嬌を感じ、食事を振舞っていた。食事といっても家計が火の車であるヴィクトル家にあっては、質素なパンと干し肉のみと言う質素なものである。
「うまいなぁ。こっちにきて初めての飯だけど
、やっぱり食事の最高のスパイスは空腹ですよね。」
アゼリアの問いかけに対し、男は聞こえていないのか必至に食事を続けている。
(なんなのかしら?この人。格好もここらでは見たいことないものだし、でも、それほど悪そうには見えないわ)
「ごちそうさまでした。」
男は顔の前で手を合わせて祈るような格好をしている。
「で、なんのお話でしたっけ?」
「あ、あなたは一体誰なのかということよ。」
「そうでしたね。まずは名前からですが、僕は小寺勘助と申します。僕自身信じられないのですが、どうやら遠い世界から飛ばされてきたようでして。」
男は頭をぽりぽりとかきながら笑顔を見せる。
「遠い世界とはどういうことかしら?」
アゼリアは首を傾げ、眉間にしわを寄せる。
「いやぁどうも転生?てきなやつですね。……ところで、貴方は没落貴族さんですか?」
「ぼ、没落ですって!?ど、どうしてそのように思うの?」
「これだけ立派なお屋敷なのに、貴方しかお見かけしませんし、それに、この世界に来てまだ数日ですが、食事が質素すぎるような気がしまして。」
「貴方、そんなみすぼらしい格好をしておいて、なかなかいうじゃない。いい?私は今でこそこのように没落しているようにみえるかもしれませんが、このリール国で必ずのし上がってみせるんですから!」
「それは面白そうだ!リール国と言うのですねこの国は!ちょっとこの世界のこと全くわからないので教えてもらえませんか?」
男は空になった皿の上で手を組みまっすぐな瞳でアゼリアを見つめた。
アゼリアもまた、なにも知らないというあり得ない話をする男を前にどこか魅力を感じ喋り始めるのであった。