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養子

父親を失ったステラ・レノフはアリスのカーライル家に引き取られる事になった。

母親は生きていたが、元々体が弱く寝込んでしまう事も度々あったのでステラの事をしっかり見れるかと不安があったのだ。

そこでカーライル家はステラを引き取るかの相談を持ちかけ今に至る。


「ご迷惑をお掛けしますがこれからこの子をよろしくお願いします。」


ステラと母親が頭を下げた。


「よろしくねー!ステラ」


「うん...」


一週間が過ぎた頃、ステラとアリスはこれを期にペシュル村を離れた。

ステラは母親と別れるのが嫌で泣き喚いていたが、あちらへ行っても手紙で話せる事が分かると安心したのか馬車で静かに眠った。


「ねーねー、お母さん」


「なあに?アリス」


「これからどこに行くの?」


「お父さんの所へ行くの。」


「村は?バイバイなの?ステラのお母さんとも会えなくなっちゃう?村のみんなとも?」


「えぇ...。寂しい事だけど、また戻れるはずよ」


「そっか、そうだよね...!あ、そういえば今森を通ってるけど魔物は来ないの?」


「魔物避けの結界を張ったの。」


「そうなんだ。安心だね」


「そうね。二人の子を守るためだから」


「でもどうして?何で?」


「え?」


「どうして、村の人達が街に行く時にその結界を張らなかったの?」


「...張れなかったのよ。張ったら私は死んでしまうの。」


「どうゆうこと?」


「今は教えられない。愛する娘でもそれは決して言えないの。...あら?もう辺りは真っ暗よ。夜になったのだから寝なさい。明日の朝には街についているから」


「うん...おやすみなさい。お母さん」


「えぇ、おやすみなさい。」


アリスは、どうして母が結界を張れるのに張らなかった理由が死んでしまうから。なんて理解ができなかったが、馬車を走らせる母の後ろ姿がかっこいいなと思いながら眠りについた。



翌朝着いた街は、とても良い休憩場所になった。

アリスの母ーユリア・カーライルは、徹夜で馬車を走らせていたので眠っていた。


「ねぇ、ステラ」


「なに?アリス」


「食べ物買いに行かない?」


「えっ?」


その街は、とても治安が良く街の人はみんな活気があった。

アリスは母から銀貨数枚を貰い、パンや水、野菜、長持ちする食品等、ちょっとした菓子も買った。


「アリス...そんなに買っていいの?お金とか大丈夫なの?」


「いいのいいの!まだ銀貨二枚は余ってるし、ステラは何か欲しいものある?」


「え...いいの?」


「うん!だから早く欲しいもの選らんでよ!」


「わかった。アリスがいいって言うならおことばにあまえる...」


「おことばにあまえる?なにその言葉?」


「大人たちがいってた」


「へー」


一時間くらい経過してから、馬車へ戻るとユリアは「帰りが遅い!」などと説教をした。


「ご...ごめんなさいっ!」


「えへへへ....ごめんなさぁい」


「...もう、反省してるからよし!これから気をつけなさいね」


「はーい」


それから二日ほど、馬車で過ごした。

幸い、アリスが買ってきた食品は長持ちしたので食べ物には困らなかった。


「着いたわよ」


「わぁ.....!でっかあああああい」


三人の目の前には大きな城が建っていた。


「あの...ここ何て名前の国なんですか?」


「ここは、ローズブレイド王国。とても大きい国なのよ」


「す、すごいですね」


「そんなに気を使わなくてもいいのよ?」


「でっでも」


「これから敬語禁止ね」


「えっえっえええ〜」


ユリアが城の前に立つと、門番は頭を下げ「ユリア様、お帰りなさい。どうぞお通りを。」と口を揃えた。


「お母さんっておえらいさんなのー?」


「うーん。一応、城には仕えてる身分だからそんな感じなのかも知れないわね」


「へぇー!すっごい」


「あ。そうだ、二人とも。王宮に入って王と話すときは頭を下げるのよ」


「はい。」


「はーい」


がちゃん

王宮へ入る扉を開けると、そこは広間だった。

そこに王様っぽい人が立っていたため「うわあ」と声をステラは漏らしてしまった。


「お帰りと言うべきか、ユリア」


「陛下。ただいま帰還しました」


「随分と、立派になりおって...。ところで、アリスの隣にいる娘は?」


「養子でございます。父親が亡くなり、母親も体が弱かったため、こちらで引き取ることになりました」


「うむ、結構。ところで、これからどうするのだ?アレクの所へ行くのか?」


アレク、と聞いてアリスの体は少し反応した。

父の名前だ。アレク・カーライル。


「はい。そう思っております」


「了解した。もう下がっててよいぞ」


「はい。」


母親に連れられ、アリスとステラは王宮を後にした。


「はああぁ。緊張した...」


「無理ないわ。私もよ」


「お母さんでも緊張するんだ」


「そりゃあ、するわよ。さぁ、いよいよ休憩できるわよ二人とも。」


母の言う、休憩できる場所はそれほど遠くなかった。

ある大きな屋敷で、アレクと名乗るアリスの父はいた。


「あ、お父さんだ!ただいま!」


「おかえり、ユリア、アリス。」


「ただいま。貴方、聞いてると思うけど...」


「あぁ、君がステラだね?」


「はい、あの、えっと、よろしくお願いします」


「そんな畏まらなくていいよ。」


「あ、でもまだ慣れなくて...」


「じゃあ時間をかけてゆっくりと、仲良くしよう」


「はっ...はい」


「ステラ、貴方は私達の大切な家族の一員よ。改めてよろしくね」


「よろしく...です」


「あらあら。無理に敬語を治そうとしてもいいのに」


その二年後。

ステラ・レノフとアリス・カーライルは王立ローズブレイド学校へ入学し、様々な知識を学ぶことになる。

そして、ペシュル村が流行りの感染病で壊滅したと聞くのは少し後のことだ。

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