ハナ
私は可愛い。
自分で言うのもあれだけど。
友達は普通にいるし、頭だってそんなに悪くない。
体育はまぁまぁ得意だ。特に格闘術。授業ではあんまり使わないから意味ないけど。
昨日の体育ではマット運動で、決め技を見せた。
これがきっかけか、私の周りには自然と人がよってきた。
やっぱり、体育が上手な女子はモテるのだ。
私には親友がいる。私程では無いけど、美人だ。
私の顔はかわいいがリナの顔は美人だ。
美人に生まれたかったなぁと思う。
帰り道、リナと帰った。
「そういえば昨日の体育すごかったですね。」
「そう?たかがマット運動じゃない」
「私は体育が苦手なので少しうらやましいです。まぁ、できなくてもいいですが」
「え?どうして?」
「体育はちょっとできない位がいいのです。か弱い女子はモテるんです。」
「活発な女子の方が男子受けはいいと思うけど。」
「違います。」
「その根拠は?」
「私の方がモテる。」
「....私の方がモテるし」
そうやって、冗談交じりにリナと話していると疲れた気分が吹っ飛んで素敵だ。
リナと私は波長が合うのかもしれない。
出会った時もそうだ。
最初はお互い何も思わない存在だったけど、いつからかお互いを意識し始めた。その意識はライバル意識かもしれないけど。
私達は普通の女子とは違う所が二つある。それもまた意識のきっかけだろう。
一つ目は、私達が自分を可愛い・綺麗などと、堂々に言えること。
普通の女子は自分より上の者がいない。と考えるのが一般的なのだが、それを口に出すことはない。口に出した所で、他の人から引かれるからだ。
引かれるのが怖いということは、自分に自信が無いこと。
私とリナは自信がある。だから言える。
そもそもの問題だが、私達より可愛くて美人な人はいないと思う。
二つ目は私達は強いという事。
私の格闘術と、刃物の使い方は結構いい線行ってると思う。
厳しい祖父に叩き込まれた、格闘術と刃物の組み合わせは最強だ。
あまり祖父に感謝した事は無いけど、これだけは感謝できた。
リナは射撃が上手い。
父が、狩猟の人なのでそのおかげか銃について詳しい。銃は日本では所持するのは禁止だけど、もしリナが持ったらきっと素敵な形になって強くなってると思う。
彼女のライフルの命中率は九十九パーセントだ。
ここまで、自分を褒め称えたけどリナと私は同じくらいだ。
「ハナはどんな死に方をしたいですか?」
唐突に聞かれる。
「リナと一緒に綺麗に死にたいな」
「心中ですか。」
リナは少し笑う。
「綺麗な死に方はできなくても、リナと人生を終えてみたいんだ」
「何故?」
「だって、私が死んだら人気は貴方の方へ行くじゃない」
「そうですか。まぁ、そんなもんですね」
「綺麗な死に方できるといいな」
「できるといいですね」
私達の会話は、何かが抜けている気がする。