07 白いツバサS 本編06
学校の生徒と教師たちは襲い来る異形の化物達から逃げるために、反対の方向へ逃げていた。
だが途中で、勢いの激しい川に行く手を遮られてしまう。
これからどうするべきか、悩んでいると動物の鳴き声のようなものが聞こえてきた。
それはだんだんと近くなってくる。
エアロ『皆さん、私の声が聞こえますか。私の名前はエアロ。貴方達を助けるようにコヨミ姫様から頼まれたんです』
突然声が辺りに響く。しかし、周囲を見渡してもそれらしい人の影はない。
エアロ『直接頭の中に語りかけています。皆さんはそのまま川に飛びこんで下さい。転移の魔法を使いますので』
突然の声を信用するか悩む一同。
だが雪菜がその背中を押す。
雪菜「今はそうするほかないんじゃないですか。このままだと追いつかれちゃうと思います」
皆は声に押されるように川を泳ぎ始める。
未利「あたし、泳げないんだけど」
啓区「僕は泳げるよー」
なあ「なあも泳げないの」
緑花「あたしは泳げるわ、つかまってる?」
選「俺も泳げるぞ、じゃあなあちゃんは俺が」
しかし、流れの激しい川を渡るのは難しかった。
エアロ『あ、あれ、おかしいな。うまくいかない? うーん、えいっ、えいっ』
未利「ほんとうに大丈夫なのこいつ」
啓区「何かポンコツっぽい空気出してるよねー」
エアロ『あ、出来ました!』
と、川の真ん中に特大の穴が開いた。
未利「って、転移って落ちるんかい!」
啓区「あーれー」
緑花「魔法って感じしないわね」
選「うーん、もうすこし、不思議なのが来ると思ったんだがな」
なあ「ぴゃあああ……」
生徒と教師の悲鳴が小さくなっていく。