25 白いツバサ 流転転生 本編20
エアロ達の協力を得て選達が向かうのは、終止刻を終わらせるために辿り着かなければならない場所……セントアーク遺跡だ。
遺跡は海の上に浮かんでいて、たどり着くためには船やら何やらで行かねばならない。
ならないのだが……。
???「クエェェェェ!」
選達は何故かまるまるとした鶏のような生物の背に乗って、海の上を移動していた。
鳥は、バシャバシャーっと勢いよく進んで行く。
選「何だこれ」
エアロ「コケトリーと言って、水陸どちらでも移動できる生物です。意外と早いんですよ」
コケ「クエェェェェ!」
ああ、それは乗る前に聞いた。
言いたいのは、何で船じゃなくて鶏……ではなくコケトリーの背中に乗っているのだという事だ。
選達はともかく頼もしい兵士達が鶏に載って水上を移動している絵はシュール極まりない。
菜亜「コケちゃん、早いの。凄いのー」
奈亜はそんな状況でもとても楽しんでいて、大声を上げてはしゃいでいる。
未利「あ、こらちょっと菜亜ちゃん、暴れない」
啓区「あんまり動くと落っこちちゃうよー」
近くで様子を見守る未利と啓区はその様子にすごく心配そうだ。
緑花「選が言いたいのはどうして船で移動しないのかってことよね。あたしも不思議に思ってたわ」
他の面子が好き好きに騒いでいるので、選の疑問に同意してくれる人間がいない。と思いきや幼なじみなじみから助けが入った。すごくありがたい。
選「緑花は良い相棒になれるよな」
緑花「え、何いきなり突然。誉めても何も出ないわよ。嬉しいけど。……本音を言えば相棒のところをもうちょっと別のジョブに変えてくれると……ごにょごにょ」
赤くなって照れた緑花が途中から別の事を言い始めた。
内容が良く聞こえてこないのでこういう時は返答に困る。
エアロ「お二人共、そう言う関係だったんですね、なるほど応援します」
選「え、何がだ?」
今のやり取りで何か分かったようなやり取りは、慈愛に満ちた眼差しになって緑花を見つめている。選は全く分からなかったと言うのに、これはあれだろうか、女子にしか理解できない話題みたいなものなのだろうか。
エアロ「と、話がそれましたね。船で移動するという案もあったのですが、それだととっさの場合の機動力に欠けるんです。こう見えてコケトリーは機敏ですので有事の際には助かるんですよ」
選「有事の際?」
作者がとりが好きだから。




