18 白いツバサ 流転転生 本編14
そして、一晩じっくり考えた後、選達はアルガラとカルガラに結論を告げた。(ちなみに遅めの夜ご飯とお風呂も色んな人の協力でお世話になった)
場所はホールの中で、昨日と違うのは室内に魔法陣が描かれている事だ。
選「ということで、協力する事に決めた。まだよく分かってない所も色々あるけど、放っておけないからな」
コヨミ姫の思いや、ご飯を作ってくれたりした人たちの事を考えたら、そうするのが一番いいと思うのだ。
アルガラ「後悔はないのじゃな」
カルガラ「ならば、引き留めはせぬ」
アルガラとカルガラは頷いて満足げな様子で杖をカツカツならしている。
驚かない所をみると、予想していたのかもしれない。
だからこの魔法陣を用意しておいたのだろう。
視線を向ければ、それはエンジェ・レイ遺跡にあったのとそっくりだ。
選達は武器と、アルガラやカルガラ他の人たちからもらった食べ物や道具などを手に、改めて礼をった。
選「色々ありがとうな。……じゃなくてありがとうございました」
緑花「お世話になりましたって言った方が丁寧じゃないの?」
選「あ、そうか」
どうにも丁寧な言葉遣いになれない選が緑花の指摘を受け改めて言い直そうとするが止められる。
アルガラ「よいよい。礼儀は世に必要だろうが弟子の旅立ちを堅苦しくはしとうない」
カルガラ「お前たちはお前達らしくしとればいいのじゃ」
本人達がそういうのなら、お言葉に甘えさせてもらおう。
選「ありがとう。助かった。また会える日まで元気で」
緑花「そうね。本当に色々お世話になったわ。元気で」
未利「とんでもない目にも遭ったけどね」
啓区「それも良い思い出だよー」
奈亜「お別れは寂しいけど、また会えたらいいなって奈亜は笑ってさよならするの」
クラスメイト達もそれぞれ、挨拶をすませば、いよいよ転移の魔法の準備だ。
選達がこれからする事は。生き残っているかもしれないコヨミ達と合流し、遺跡を起動させるための首飾りを受け取る事だ。
そのもしもの時に決められていた合流予定場所へと、今から転移させられるのだ。
アルガラ・カルガラ「世闇に輝く星々よ、長き時、眠りし力を解放せよ。今この地からかの地へ、使命帯びた旅人を導かん!」
そうして呪文の詠唱が終われば、まばゆい光が周囲に溢れていった。




