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11 白いツバサ 流転転生 本編08



 案内された部屋の中は豪華な内装で広々としていた。

 下手すると一流ホテルの一室より凄いかもしれない。

 備え付けの調度品はピカピカになってるし、凝った装飾がさりげなくついてるし。

 こんなところに一人づつ放り込まれたらさぞかし居心地が悪かっただろう。


 美味しいごはんをご馳走になって、大きなお風呂に入れさせてもらった後、選達は、部屋で会話になる。

 部屋にいる顔ぶれは選、緑花、に続いて、未利、啓区、奈亜の五人だ。


 緑花「それで、どうするの? これから」

 選「難しいことは分かんないけど、何か困ってるんだろ? この世界」

 未利「それで、助けるってわけ? お人よしすぎでしょ。世界滅亡の危機なのにさ。というか、まずそこんとこが本当なのかあやしいでしょ」

 啓区「そうだねー、何にしてもコヨミ姫が言ってる事が本当かどうか確かめてから決めるっていうのも悪くないと思うよー」

 選「そっか、そうだよな」


 つい真実だということ前提で物事を考えていたが、そうでない場合もあるという事に気づいた。

 基本人の言う事にあまり疑いを抱かない選では、思いつきもしなかった事だ。


 奈亜「ふぇ? 奈亜はコヨミちゃまが困ってたのは本当だと思うの」

 緑花「まあ、確かに切羽詰まってる感じだったし、演技でやってるようには見えなかったわよね」


 可能性はどうなのか、という話はともかく、本当に困っているようには皆も同じように見えていたらしい。


 未利「そもそもの話だけど、あの姫の話が本当だったとして。それでアタシ達に何とかできると思うの?」

 緑花「あたし達で力になれるのかって事よね。喧嘩はできるけど、化け物相手じゃあんまり当てにはできないだろうし」


 現実的に考えれば、選達に世界を救うような力がないのは事実だった。


 選「うーん、頑張って強くなる……って話じゃないんだよな?」

 緑花「そうね。……仮に頑張って強くなるにも、一朝一夕じゃいかないと思うけし」

 啓区「努力は大切だけどー、限界って言葉もあるんだろうしねー」

 奈亜「ふぇ? 啓区ちゃま限界は諦めることだって前聞いたことがあるの。諦めるのは駄目だって思うの」

 未利「そりゃ駄目だろうけどさ……、諦めなきゃなんでもできるってもんでもないしさ」


 話し合いはそんな感じで、同じ話題でとどまっていた。

 仮にコヨミの言葉が真実で、選達が協力すると言っても、力がないのが困るところだ。




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