11 白いツバサS 本編09
その男の人の名前はハング。メニューの中でマフィンが一番美味しいという喫茶店屋の主人だった。
二十代くらいの娘が一人いて名前はコリーという。
五人はその家にしばらくお世話になることになった。
ハング「そうか、大変な目に合ったね」
話を聞いたハングは悲し気に顔を伏せる。
コリー「こんな時代なんだから、きっと仕方ないんでしょうけど元気をだしてね」
娘のコリーは同情して、五人を励ました。
世話になりっぱなしというのもあれなので、五人は店の手伝いをすると申し出て、町に買い出しに出ることにした。
町の中は賑わっていた。
緑花「人が多いわね」
選「なあちゃんとか、はぐれないようにしないとな」
なあ「なあ、えいえいおーしてがんばるの」
未利「気合でどうにななったら苦労しないんでけどね」
啓区「なあちゃんだもんねー」
人ごみの中を歩きながら、五人は目当ての店へ向かう。
その途中で、壊れた建物が並んでいる区画を通った。
その周囲にいる人達はみな暗い顔をしている。
緑花「あの人達のためにも何とかしてやりたいわね」
選「そうだな」
買い物を済ませた帰り道、転移遺跡の前をとおた。
この世界には限られた数しかないが、人が魔法を使わなくても、転移遺跡から転移遺跡へと移動できるらしかった。
そしてそれは、セントアーク遺跡の近くへとつながっているらしい。
五人は買い物をすませたあと、ハングやコリーに別れを告げる。
ハング「そうか、もう言ってしまうのか」
コリー「元気でね、無茶をしないようにね」
緑花「そっちこそ元気で」
選「必ず世界を何とかしてみせるからな」
未利「まあ、世話になった」
啓区「ありがとねー」
なあ「ぴゃ、ばいばいなの」




