表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幻想少女  作者: たくっち
2/3

散歩

「・・・夢?」

久しぶりにお母さんの夢を見た。 嫌な夢を見たせいで汗を沢山かいている。

私は枕元の携帯を開く。 明るい画面には3時と表示されている。

そこで自分の喉がとても乾いていることに気づく。私はベッドから起き上がりキッチンに移動し蛇口を捻りコップに入れ、それを一気に飲み干す。喉を潤す感覚が心地よい。

もう一度ベッドで寝ようかと思ったが全く眠気を感じない。今ベッドに入っても無駄だと思い、少し散歩をすることにする。


*****


家を出て最初に向かったのは公園だ。当たり前だがそこには誰もいない。次の場所に行こうと公園に背を向ける。

すると

(ワン!)

犬の鳴き声が聞こえてくる。振り向くと茶色の毛の大きな犬がいた。犬は首輪をつけていないからすぐに捨て犬だとわかった。

その犬をどうしようか少し迷ったが、放っておくことにし、次の場所に行こうとすると犬は後ろを着いてくる。

気にせず進む。犬も着いてくる。

私は諦め軽くため息をつき犬に告げる。

「一緒に散歩しようか」

犬は嬉しそうにクゥーンとうなる。

それからは、犬と色々なところを歩く。

駅、河原、小学校、中学校。全部お母さんとの思い出の場所だ。

最後に『高瀬神社』という今では人が全く来ない神社に来る。とても真っ暗で何かが出てきそうな雰囲気だ。

実はこの場所がお母さんとの一番の思い出の場所だ。

「帰ろ」

犬を返すために公園に向かう。

歩いていると自然に涙が溢れてくる。

「・・・お母さん」

犬が私を慰めるように足にすり寄ってくる。

「ありがとうね」

犬を撫でてあげる。すると嬉しそうにもっとすり寄ってくる。

それから数分歩き公園に着く。

「じゃあね」

犬はワン!と吠えどこかに歩いていった。


*****


家に着くと4時だった。

ベッドに入って目を閉じる。すると、とても心地よく眠ることができた。

私は眠りに落ちていく意識の中で思う。

(あの犬に感謝しないと)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ