1年前【春】
ヒュゥゥゥバァァァン………ヒュゥゥゥバァァァン…………
上を見上げると夜空にあがる沢山の花火。
隣には大好きな子。
「………ごめんね。」
ふと僕はうつむきそう呟いたーーー。
1、1年前【春】
『ふぁぁあ〜』入学式を終え、新しい自分のクラスに向かっている途中大きなアクビをしながら(周りは和気あいあいとしているのに、)僕は1人で歩いていた。
(あぁ、暇だなぁ……ていうか、クラスの名簿あんま見てなかったしなんか僕って変なとこで人見知りするからなぁ……誰か知ってる人いたっけなぁ……)
まぁ、要するにただ今ぼっちだ。
さ、寂しくはない。
『けど、知り合いの1人はいたっていいのになぁ……やっぱ高校も地元の方が良かったか?……』そんな事を呟いているとふと、後ろから聞き覚えのある声。
「おーーーい!れーーーいーーーー!」
んん?この声はもしかして………?
振り向くと、やはり僕が予想した人だった。
『歌鈴“かりん”!!』
「わぁぁぁ、久しぶりだねぇ!入学式が始まったら新入生代表で零が挨拶してるんだもんびっくりしたよ〜!」
いきなり大声でこっちに来たのは家が近くてしかも誕生日が一緒。母親同士も仲が良い幼なじみの歌鈴。
小学校はずっと同じクラスで気が合うのか一緒にいた。
だが、中学は離れてしまい会うことも減ってしまい会うのはかなり久しぶりだった。
『あぁ、久しぶりだな、歌鈴どこのクラス??って、中学ってエスカレーター式じゃなかった??』
「実はね〜、零と同じクラスだよっ!高校は零と一緒がよくってね〜笑」
一瞬、ドキッとする。
けどすぐに思い出す。《歌鈴はよく冗談をいう子だった。》と。
『冗談だろ〜?笑』
僕は笑って受け流す。
「えー………」
歌鈴が何か言おうとした瞬間
「歌鈴〜待ってよ〜……待ってるって言ってくれたのに……」
後ろから少し高い可愛らしい声。
「あ、美音“みお”!ごめんごめん、……幼なじみ見つけてさ、ぼっちぽかったから話しかけてた〜笑」
『ちょ、歌鈴、その言い方は無いだろ…』
確かにぼっちだったけど!!!
「え、事実じゃん。」
バッサリと言われ僕は何も返せなくなる。
うぅ……
少し傷ついてると美音と呼ばれた女の子は自己紹介を始めた。
「あ、あの、私美音って言います…歌鈴とは中学一緒で…あの、零くんの事は………」
そこまで言うと美音は歌鈴に口を塞がられた。
「ちょっ、美音!!!しっーーーー!」
いきなり慌てる歌鈴。
『なんだよ、歌鈴……ほら、離してあげなよ。』
「はぁ、」と美音は息をこぼす。
『まぁ、よろしく。美音。』
僕たちのことを少しにらんでくる歌鈴。
そんな歌鈴をほっといてすっと美音に手を差し伸べた。
「よ、よろしく、零くん。」
少し緊張してるのかおどおどしく手を差し出してくる美音。
僕の高校生活はここからはじまった。




