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夜夢(よむ)

作者: 十ノ口八幸
掲載日:2016/02/12

ただ、勢いで書いたので訳の判らない事があるけど気にしないでください。

内容の意味は有ればあるし、無ければ無いです。

目覚めると、辺りは静寂に包まれていた。

現状を把握しようにもこれといった手がかりはなく、途方に暮れるしかない。


在るとすれば周囲を囲む先端の見えない大樹や痩せ細った木々ばかり。枯れ朽ちて横たわり、苔が緑の毛布のように覆っているものもある。

かと云ってこんな理解の出来ないところにただ突っ立っていても時間の無駄だろうと考える。


しばらく歩き続けてみても木々が永遠と存在し、本当に進んでいるのか、もしかしたら知らずに戻っているのかもしれない。その考えを振り払うように、足を動かす。


ふと()を止めて上を見上げてみた。木々が高すぎて空が見えないが、たぶん夜なのだろう。小さく見える木々の隙間から空が黒くみえる。

そういえば、こんなに背の高い木に囲まれていて、さらに夜のはずなのに木の色がはっきりとみえる。

周囲には光の元が見当たらない。それでこの明るさは異常すぎるだろう。

助かるが軽く気持ち悪さが全身を駆け回る。


またさらにどれ程の時間が過ぎたのか、今だにこの場所から抜け出せないでいる。また気づく。

あれほど動き回っているのに汗もかかず、腹も空かない。もしかして此処は、ちょっと待って、そんなはずは無い。判断が付かないがとりあえず動くしかない。



全身が悲鳴をあげる。どれ程の酸素を肺に送り込んでも全然足りない。というか肺が痛い。

酸素を欲する脳が全身に指令を出す。しかし後から後から吸い込んだ酸素を消費していく。

全身の筋肉が軋み、疲労が蓄積していく。

止まれない。止まることは、そのままただの肉塊となりこの世から引き剥がされるだろう。後は朽ちて骨が残るのみ。

何故こうなった。


本当にどうしてこんな目に合っているのか。

本当に何故、痛くて、きつくて、吐きそうで。それでも止まれない。横目で軽く後ろを見る。

そこには、とてつもなく大きな岩が轟音を響かせながら迫ってくる。


感覚的に少し前。

あの広大な木々の群れの間を移動し続け、肉体的には疲労していなくても、精神的には疲弊しているのだろうか、足が重く感じ(かたわら)の木の幹に手を付き腰に手を当て、一息つ着く。

(まぶた)を少し(つぶ)り、開き足下をみる。そしてもう一度息を()き前方を見る。瞬間血が心臓の内部を一気に駆け巡った。

遥か前方に此処の切れ目が小さいけどはっきりと視認できた。

先程までの疲弊感がどこかへ消え失せ、後は自然と足が動いていた。


後少し。

その思いが全身を支配し、速度を落とさず木の群れから脱出する。


出ると同時に安堵感からくる気の緩みで足がもつれ、頭から体勢を崩し盛大に転けた。


何とか頭を打つというのは避けられた。それでも着ている衣服が破れ、裂け目から擦り傷や内出血が顔を覗かせる。

振り返ると今までいたところが想像以上に広かったことが解った。

音が響いた。いや、それは自分が発した声だと、数秒して気づいた。

それは当然だろう左右の端が全く見えないのだから。

息を吐いて、頭を正面に向けると、視界全てに広がる荒野が存在している。

また音が聞こえた。これも自分の声。絶望を含んだ声だった。

よく考えれば解ることだろう。そんな都合よくこの場所から脱け出せる何かが手に入るなんて思わないわけでもなかった。それでも少しは期待した。



今回、期待は小さく精神的な衝撃は軽微(けいび)で済んだ。それを鑑みればまだ良いほうか。



さて、こんな状況でどうやって脱出するか、考えてみる。

幸いお腹が空くことはない。それだけは唯一の救い。

背後には乱立する木々の群れ。前方には何もない荒野。どこまで続いているのか。判断できないときは無暗に動かない方が賢明なのだろう。でも此処でじっとしていたら、誰かが助けに来てくれるなんていう考えは愚かなこと。それなら行動を起こすのみ。


さて、今この位置から見える範囲だけでは何もない。本当にない。あるのは広大な木々の群れのみ。実際、この木々はどこまで続いているのかは気になる。しかし、入って出られなかった場合を考えるとまだ此方(こちら)を探索した方が早い気もするし、何もなければ戻ってくれば良いし。とりあえず進んでみようか。

先ず行く前に目印的な物を探すことにした。


あれから直ぐに目印に最適な物を見つけ出し、準備運動をしてから出発した。


広範囲を調べるにしても、

1・此所がどこなのか。どれだけの広さが在るのか。調べようにも道具類がないので地道に足で調べるしかない。

2・出口の有無。

簡単に言えばこの2つ。

この2つに絞って探索してみる。


探索して奇跡的に手がかりが得られるとは想っていない。でも、あの木々からしばらく歩いていると、遠方に突如として強烈な光が走った。

この時、心臓が早鐘を打ち、血流が加速する。


光に吸い寄せられる羽虫のごとく、光が走った場所にたどり着くと其所(そこ)には、これみよがしに宙に浮いた簡素な扉が在った。

見たところ引き戸のようで鍵は付いていない。

ここまできてもう何もないだろう。そして、これでこの理解できない所から出ることが・・。

感慨深く見上げれば何処までも、果てを一切感じさせない空が在った。

この時、少しは警戒するべきだった。これまでの緊張と混乱、それと何故、自分がこんなことをしているのか。それらが出口であろう扉を認識して、気が緩んだ。

そう、いまはもう後の祭り。


扉まであと少し、手をかける。

足下で何かを蹴った。


空気が振動し、足下に今までなかった流れを感じ、気持ち悪いほどの寒気が全身を覆い、足が崩れた。震えが止まらない。

汗はかかないのに、全身の毛穴から見えない汗が濁流のように滴り堕ちる。

もう無理。そういう想いが身も心も縛り上げた。

何処からともなく突如として咆哮が鳴り響き、出口であるはずの扉が弾け消え、それは瞬く間に巨岩へと変貌した。

死を覚悟する前に身体が反応して元来た道を全速力で駆け抜けた。絶叫しながら。


そうして、あの木々の群れまで戻ってきた。途中あの岩を撒くために縦横無尽に走ったにも関わらず岩は追いかけてきた。

ここには、大樹等が乱立し、朽ちた木が横たわっているのにまるで意に介さないかのように薙ぎ倒し、粉砕し、迫ってくる。

し、死ぬ。

広大な場所を走り続け、あの岩の対処なんてそう簡単に思いつくはずなく、適当に逃げている。

一応直進しているはずなのに一向に反対側に出ない。

も、もう限界。足が何かに(つまず)き再び盛大に転けた。

どうやら、転けた先が坂になっていたらしくそのまま(ころ)げ堕ちていった。


どうやら気絶していたらしく、気づいたら(くぼ)みに身体がはまっていた。あの巨岩は何処かへいったらしい。ひとまず安堵する。


はまった体を抜いて、堕ちてきた坂を見上げる。それは坂というより崖に近く、戻ることはできそうにない。選択肢はひとつ。進むのみ。

相当の高さから堕ちたのに軽い打撲とかすり傷くらいで、骨や内臓に異常は感じられない。

とりあえず、今どの辺りなのかは考えても意味はない。できるだけ距離を稼いでおかないと、いつあの巨岩が現れるかわからないのに、留まり続ける事はない。

気絶していたからか、全身の痛みは少し和らいでいる。これなら何とか歩ける。


大分進んだと思うけどまだ端が見えてこない。正直なところ挫折しそうだけど、踏ん張るしかない。

ふう。空腹や疲労感はないにしても本当、どこまで行けば良いのか検討が・・。

あ。


やっと脱け出せた。

でも視界に入った光景は、絶望だった。

垂直で表面が掴むこともできない平らな崖。これは、木々よりも遥かに高い絶壁。頂上がみえず、左右も同じように果てがみえない。

どちらかに行けば裂け目があるかもしれない、でもなかった場合の落胆が大きなものだろう。

そうして、逡巡(しゅんじゅん)していると木々が何処からともなく飛んできて絶壁に激突、砂煙が舞い上がり砕ける。

あの咆哮と轟音が響きわたる。

再び全身を寒気が襲い、皮膚を舐めまわすような空気が場を包み込んでいく。

木々を薙ぎ倒しながらあの巨岩が現れた。 即座に身体が反応、巨岩の逆方向へ全力で逃げる。

背後から響きわたる迫る音。振り返る時間(ひま)なんかない。身体(からだ)が悲鳴を上げるけど、足を止めた瞬間・・・、考えるだけで恐ろしい。

とにかく今は一心不乱に走るだけ。

走る走る走る走る走る。そして走り。

一息に逆走、巨岩の脇を駆け抜ける。

この時なにかが見えた・・・そんな気がした。


どれ程の距離を走ったのか、不思議と痛みがなく知らない間に探していた箇所(かしょ)にたどり着いた。そう大きくどこまでも走る亀裂。

一旦亀裂に体を滑り入れ、壁に背を預ける。

必然的にため息が出る。

目を(つぶ)り、顔を上げ、開ける。

ここに来て随分経つはずなのに、空が変わらない。それどころか更に空気が深く深く、増すばかり。全身を、あの寒気とは別種の気配が重苦しく纏わりついてくる。

呆れて、乾いた声が喉を振るわせ口から漏れた。

気分が落ち着いてきたあと、亀裂の奥から凄く心を癒す香りが漂ってくる。それと同時に誘う声が頭に聞こえ、足がそちらに手繰(たぐ)り寄せられる。


得たいのしれない声に導かれながら亀裂の奥へと足を運び、暫くすると先のほうに大きな塊らしき物が視界に入る。抵抗したくても身体が強い力に引かれ、気持ち悪さが込み上げてきいても否応なくその塊に近づいていく。案の定、見たくない光景だった。

(おびただ)しい数の不自然なくらいキレイな、そして光沢を放つ大小様々な乱雑に積まれた椅子や机。荘厳な装飾も施されているようだ。それらが塞ぐように鎖または、団子のようにうず高く積まれている。

でもなんでこんなにキレイなのに気持ち悪くなるのか判らない。得体の知れない気持ちを抱き、足が前へと体を運ぶ。


さすがに近づくとその理由(わけ)が理解できた。

装飾に見えていた模様は、一つ一つが怨嗟(えんさ)の言葉を刻んでいるものだった。そこから、この気持ち悪い空気を出していたのだ。それではあの香りは一体なんだったのか。そんな風に考えていると、

嫌なのに、本当は近づきたくないのに勝手に足が前に進み、あと少しで手が届く距離で止まった。

その距離は精神の臨界を振りきっていた。



談笑、合唱、歓喜。川辺を走り回る人々。其所には、幸福が充ちていた。



心から叫び、瞼を開けば、机と椅子。そこから放たれる重い念。

どうやら、気を失っていた。

何故、気を失ってしまったのか、答えは明らかだった。目の前の机や椅子から放たれる念。ではなく、近づいて初めて気づくこの臭気。鼻腔の入り口で首をもたげ、そこから濃い臭いが一気に奥へ襲い、脳の許容量を超え、熱暴走を起こす前に強制的に意識を飛ばしたのだろう。

鼻や口を手で覆い、できるだけ臭気を断つ。眼球が痛いけど、視界まで断つと何もできなくなるから我慢して観察する。

よく見ていたら乱雑に積まれているように見えて一部分だけ綺麗に並べられている。

迷う時間なんかない。思いきって手をかけてみた。すると、周囲が一変した。


あれだけ在った机と椅子が瞬く間に消えて、あとに残ったのは小さな石の板。そこには見たこともない模様が書き込まれている。判らないはずなのに、自然とその模様の意味が理解できた。それと同時にすべて納得した。

(きびす)を返して、体を反転させ、亀裂の外へ向かった。


あはははは。一体どれだけ走るのか、諦めたように全力で足を動かす。背後には、あの音が轟いている。

ここまでの道で作った罠が全部意味を成さず、逃げ回るしかない。どんだけ硬いのか、砕こうとしても無理。それどころか(ひび)もはいらない、欠けることもない、硬すぎる。

あれをどうにか砕きたいけど、もう最後の手を使うしかない。


普通なら限界をとうに超えて、肉体を横たえ、あれの下敷きになっているはずなのに。いっこうにその気配がない。まあ、そんな事を考える余裕なんてないのにそれが頭を(よぎ)った。

もうあれを砕くにはこの絶壁の頂上から落とすしかない。その考えに至り、今は全力で崖の上に続くであろう坂を駆けている。

止まったら最後、し、これ以上は背筋に寒気がはしり意識から消すように頭を振り進む。


頂上に着いた。

見渡すかぎり何処までも続く平らな場所。文字通りなにもない。しかし、息つく暇なんかない。あれを落とすために移動しないといけない。

兎に角、一番近い所を目指して。


着いた場所は本当に何もない。自分が助かるにはこれしかない。あとは、気取られることなく落とすのみ。

さあ、始めよう。一発勝負の賭けを。


止まらない。留まらない。停まらない。あれを相手に四度目の、そして最後の勝負。これではまったら、この巨岩を落とせる。だから、今は全力で、一心不乱に逃げ走る。

轟音が、咆哮が、絶叫が混ざり、絶壁の上で交錯する。


考えない。それだけを一点に縦横無尽に駆け回る。

横目で見ればしっかりと付いて、追いかけている。

そして・・・・視界が反転した。


耳を切り裂くような落下音と少ししての破砕音。結果は上手くいった。


実はこの時、崖の淵に手をかけていた。もしかしてとは想像していたけど、こんなに上手くはまるとは思っていなかった。

あの巨岩は、どうやら意思に反応して追ってきていると判った。気絶していたとき、あの巨岩は姿を消した。そして、意識を戻したとき追いかけてきた。直ぐにじゃないけど。あと、急な意思を変えたり、不測の事態には対応出来ないと考えた。当たっていて良かった。

崖を登り見渡せばあの木々の想像以上の広さに感嘆した。木々の向こう側に小さく細い線のように見えるのがあの荒野。

気合いを入れ、崖を降りあの坂に向かおうと振り返る瞬間、総てが震えた。


全身を戻すと、木々や荒野からいくつもの石や木が宙に吸い寄せられ、一つの大きな塊になり、さらに最初の時より暗く淀んだ空から伸びる触手のようなものが塊を覆い、大きさが増す。

あんな物、考えなくても判る。

目覚めたら、死ぬ。


急いで崖を降り、目的の物を探すが、解っていた。無理だと。それでも、それでも坂を降る。


やっぱり間に合わず、坂の途中で塊から轟音と叫びが発せられ、走りながらそちらを見れば、塊が変貌する。


簡潔に言う。それは其所にいるだけで世界を変容させる何かがあった。事実、それの廻りは言葉すら当てはまらない程に変わっていた。

正直、気持ち悪い。凄く距離があるのに、まるで心を掴まれ、殴られ、切り裂かれ、踏みにじられ、挙げ句の果てに貪り砕かれ何も残らず(ほふ)られる。

かなりの距離があったはずなのに、咆哮を放ち、一回の瞬きの間に目の前まで迫ってきた。


その姿は、植物と昆虫と石を均等に織り混ぜた体に6本の足と一対の腕。足はうしろが巨大生物の足。中は細くしなやかな程よく引き締まった足。前は猛禽類の足。

そして腕は、植物の蔦を幾重にも折り重ねた三本指。

頭は二本の長い耳。三つの眼。首近くまで大きく裂けた口に長い犬歯。

雄叫びを此方にあげ威嚇する。

意を決して、坂の淵から跳躍して下まで一気に落ちる、着地と同時に木々の群れへと直ぐに走る。

できるだけ深い所に逃げ込んで視界を撹乱させる。


丁度うまい具合に木の(うろ)があり、そこに身を隠した。

狂声(きょうせい)と言おうか。本当に心が狂ったように掻き乱される。

何なの、あの生き物は、それ以前に生き物であるかも怪しい。


遠い所の木々が薙ぎ払われ無惨に壊されていき、そこに降り立ったあの生物は、獲物を探すように速度を緩めて周囲を見回し歩いていく。

息が出来ない。正確には仕方が思い出せない。呼吸方法が頭から抜けている。でも一瞬で正常に戻って普通に呼吸ができた。

不思議と足音がしない。あれほどの巨体なのにまるであの生物の周囲だけ音が死んだように静かだった。

洞から少しだけ顔を出してみると別の方へ進むところで、尻尾か見えた。

その尻尾が視界にはいると強烈な悲壮感が溢れてきた。

体や手足もそうだけど、尻尾も形容しがたいものだった。


その尻尾は、幾つかに分かれていて、筋肉剥き出しだったり。太い針が数えきれないほど生えていたり。なかには鉄の塊かと思うほどの重苦しい色合いをしていたり。あと先端に大きな管があったりたと、よく判らないものだった。

そのなかで一際目立っていたのが、旋回する尻尾。その先端に穴でも開いているのか、そこから液体を撒き散らしている。あれは相当に危険な物に違いない。それはすぐに判明する。撒き散らされた液体が近くに落ちてきて飛び散り、そして触れた部分が消失した。

全身が一瞬だけ震えた。もう、迷っていられない。もう、やけくそになるしかない。


洞を抜けてあの絶壁の亀裂を目指す。背水の陣であとは想像通りにいく事を願うだけ。


さあ、正真正銘これが最後だ。

失敗したらあれのなかで溶かされるだけ、成功したら、此処から出られる。


痛い苦しい辛い。痛覚が戻ったみたいで足が締め付ける様に軋み、肺も限界とばかりに張り裂けそう。

あの生物は相当遠くに行っていて気づいたら凄く離れていた。

まるで悔しさを叫ぶかの如く、咆哮を発し、両の腕で薙ぎ、掻き、砕き、潰す。


もうちょっとだ。これで出られるかもしれない。

亀裂に入り、できるだけ奥へ進み、限界と思った所で止まった。

振り返ると、そこまできていた。

覚悟を決めろ、もう後戻りは出来ないから。

息を大きく吸い、吐き、あの生物に向かって走る。全力で。


叫びなから、本当なら目尻に涙を溜めているかも知れない、でも汗が出ないと言うことは涙も同じように。だから目一杯声を荒げて走った。

生物が笑うように口を広げ、今から食らわんとする姿勢になる。

行け。行っちゃえ。


生物の口めがけて一気に飛び込んだ。


口を閉じたのだろう、暗い光が差しこまない。何処からともなく乾いた風が頬を撫でる。やはり失敗か。

諦めようとしていたら、急に身体が引っ張られ手に硬いものが当たった。もしかしてと思い、最後の力で押してみた。

すると

・・

・・・・

・・・・・・・・・



そこは、見慣れた光景だった。何時もいる場所。自室だった。

部屋は暗く、周囲が辛うじて見える程度。

汗が気持ち悪いくらい出ていて服が肌に張り付く。

体を起こして手元の時計を確かめると、寝てから数分しか経っていないことに驚き、心臓が張り裂けそうに鼓動している。

そうか、あれは夢だったんだ。安堵と疲れが来て倒れ込む。

深い息を吐きながら胸に手をやると、まだ心臓が高鳴っている。取り敢えず、気持ち悪いから着替えて、それからどうしようか。

まあ、いいや、あとの事は着替えてからで。

〜終〜


















あの絶壁の上の更に上に一つの影が在った。見下ろし、小さく口端を上げると何処かへと姿が消えた。

〜完〜

難しく考えないで読んでくれていれば幸いです。

構想は前からありました。まあ、無理矢理感がありますね。

苦労して書いたので完成したときは嬉しかったです。


それでは。

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