羊が2匹∴可愛い寝顔の悪戯したくなる場所No.1
夢か幻か……
「俺、お前の眠った顔が一番好きだな。俺に毎朝寝顔を見せてくれ」
コイツは真顔で寝言を言う。
「なんだお前、気持ちわるい事言うな」
「そう連れない事言うなよ。俺とお前の中じゃないか、ほれ、ぷにぷに」
「やめろ、あたしの頬にふれるな」
コイツは指でつついてきやがった。
「なんだよ、寝てる時はいつも触らせてくれるじゃないか」
「なんだとお前、いつもあたしが寝てる時にそんな事まで!?」
「ほら、起きろって、ぷにぷに」
「やめろ、あたしは起きている」
「いや寝てるよ、ぷにぷに」
「起きていると言っている」
「どう見ても寝てるんだが、ぷにぷに」
「お前の目は節穴か、その穴に指をつっこんでくれるわ」
「バカやろう、お前の目こそ節穴だ。どこを狙ってやがる」
「なにを言ってやがる。バッチリ目ん玉にめり込んでるじゃないか」
「マジかよ。そいつはエグい事してくれたな。お返しにほっぺをもっと虐めてやる。ほれ16連射だ! ぷにぷにぷにぷにぷにぷに――」
「うがぁーーや、やめれースイカみたいに爆発するーー。……マジかよ!? お前、目見えないのにほっぺの位置が何故、分かるんだ?」
「長年の経験と勘と言うやつだよ」
「……お前には負けたよ。もう、あたしのほっぺはお前にやるよ。だから、もう少し優しくしてくれよな」
「それはありがたい申し出だが、そろそろ起きないとほんとにヤバいぞ。1時間目は体育だし、そろそろ着替えないと」
「まだ言ってるのか。あたしは起きている。じゃあ、あたしはあっちの教室に行って着替えてくる」
「あぁ、その前に起きろな」
席を立ち、廊下へ出て隣りの教室へ行く。他の女子達は既に着替え終わっているのがほとんどだった。
「おい! バカ野郎……ここで脱ぐな」
下げようとしたスカートを掴む手。
「なっ!? おまっ!? ここをどこだと思ってんだ!」
「それはこっちのセリフだ。急に黙ったと思ったら……余計な情報を与えてしまったか。いや、これは実に惜しい。だが、後が怖い。許せ、綾峰。お前のほっぺは俺の物なので、お前の為に心を鬼にして虐め抜いてやろうーー」
「いはッ、やへろはか野郎! さわっへはひいと言ったが、引っはっていひとは、許可しへいはい!」
「いい加減起きろって、周りの視線もいい加減痛てぇからよ」
「あはりまへだ! こほをどこはと!」
「起きろ、ほれほれ」
「いはい! いはい!」
涙で視界が滲みながら目蓋を閉じ、もう一度開いたら景色は変わっていた。
「あへ?」
「やっと起きたか?」
「お前最近眠り深くないか?」
「誰のせいだと……」
◆さわりたい! いや、むしろ食べてしまいたい!!