1年C組担任 紅さくら
紅さくら(くれないさくら)
ここは魔術師育成高等学校。
毎朝5万人もの魔術師が通ってくる世界一大きな学園だ。
この世界では16歳になるとMAD(魔術師適性診断)と呼ばれる診断を各学校で受け、魔術師のタイプが分けられる。
前に言った通り魔獣奉仕型と魔術強化型だ。
とまあこの辺で本題に入ると東山奏多と小鳥遊花憐は、これからそのMADと呼ばれる診断を受け、入学するためにこの学校にきたのであった。
昇降口に浮かぶ巨大なスクリーンを見る。
この学年の人数は2万とちょいか。
えーっと……18052はどこだ?
『お、あったあった。』
C組か。花憐もCだったらいーな。
花憐が探している。
『えーっと、、どこだろ00002……』
00002なのか。なんか面白い数字。
『すぐ見つかりそーな数字だけどな。』
といいつつ最初にC組をチェックすると一番上に00002の文字。
『お。クラス同じだな。結構確率低くね?』
だってこの学年、クラスが22こもあるのだ。
『やった〜、奏多! よろしくね?』
花憐はぴょこぴょこぴょこぴょこ飛び跳ねる。
俺の心もぴょこぴょこ跳ねる。
『おう、行くか。』
そう言うと花憐と共に歩き出す。
誰かに見られていることにも気付かずに。
『ここか。』
1年C組。 俺らのクラス。
このあとに1000人余りもいるクラスの中から席番号を探す。
『たりーなー』
花憐に言う。
『そうだね〜』
ふう、と言いながら花憐は座る。
『今俺の言葉適当に流しただろ……』
俺はため息をつく。
『だってこれ前から、昇降口で見た番号順だよ?』
おい早く言え。あとやっぱりさっき適当に流してたなこいつめ。
『ふう。』
数分後自分の席に辿り着きようやく座る。
それにしても花憐が1番前で俺が1番後ろって……
そう思ったところで前の方でドアが開き、すらりとした美人そうで教師らしい人が入ってきた。
のがスクリーンで見えた。
そう、僕たち後ろの席の人はスクリーンでぼやけてでしか見えないのだ。
『えー、私がこの1年C組の担任を務める紅さくらだ。、最初に言っておくがこの番号は成績順だ。』
何人かが、いや何十人かが後ろにいる俺を見て笑う。
クソ野郎、お前らたいして成績変わんないだろ。
俺は心の中で舌打ちをする。いや、舌打ちだから口の中か。
『えー、いいかな。ではこれから諸君が楽しみにしているであろうMADを受けに行く。
私が連れて行くので席を立たないように。』
……はい?席を、立たないように??
そう思った瞬間身体が浮き、猛スピードで移動する。
『着いたぞー!前から順番に係員の人に従い、MADを受けなさい。』
そう、教師がクラスごと僕たち1000余人を運んだのだ。
紅さくら。なんて恐ろしい人……
魔術師育成高校。これからもこんなワクワクすることが待っているのであろうか。