プロローグ
初めまして、高祐です。
至らない点はありますがよろしくお願いします。
8月中旬
茹だるような熱気と炎天の中
大凡、日常生活で使われない角材やダンボール、大きなカーテンなどを担いで、俺は学校へ続く坂道を登っていた。
事の始まりは、昨日の夕方。
文化祭でのクラスの出し物である『お化け屋敷』の準備を担当していた数名の男子から
「怪我しちまったから、明日準備行けなくなった。準備間にあわねえから材料持ってってくれ」
という連絡がきた。
頼まれると断りきれない性格の俺、大沢 友介は引き受けてしまった訳だ。
しかし…
「失敗したなぁ…」
そんな弱音を吐いてしまう。
今日は今年一番の暑さらしい。
そんな日にクソ長い坂を上るだけでも辛いのに、数人分の荷物がプラスされれば、帰宅部の俺にとって地獄でしかない。
なんで材料担当の男子全員が同じ部活に入ってて怪我をするという偶然が起こるのか不思議でならない。
そんな文句を心のなかで呟いていると風が吹きカーテンが飛んでしまった。
「危ねぇ、汚したらキレられるな」
と呟きつつカーテン取りに行く――――ところで衝撃に襲われた。
「――――――っ――――――ぁ」
気が付くと俺はアスファルトに叩きつけられていた。
力が入らない。さっきまで異様に暑かったのに、今は寒くなっていく。
ふと、霞む視界に動くものがある。運送会社のトラック。
それに轢かれたと認識した瞬間、意識がとぎれた。