番外編・前編
これは、朱家がまだ21歳ぐらいのときの裏話みたいなものです。あくまでも番外編なので、どうしても読むのがめんどくさい〜というような方は読み飛ばして頂いても本編には差し支えありません(●^∪^●)
この世の果てには何があるのだろう……?
もしも天国があるのなら、あたしの好きな桔梗の華がたくさん咲いていればいいな。
番外編<初恋>
初めまして。あたし、神谷 桔梗、14歳、中学生女子。
そんでもって、大好きな彼の元に週3のペースで足しげよく通う恋するヲトメでもあるのです。
あなたのためだったらあたし、大嫌いな勉強だってがんばれそうなきがする↑↑
桔梗はガラスの扉を勢いよく開いた。
(このトビラは愛しの彼への入り口……あたしのHEVENなのよっ!!)
「おはようっ♪」
「あぁ、おはよう神谷。今日はちゃんと宿題やってきたか〜?」
「えへへ……」
夢が覚めたわ。思いっきりね………。
そう、あたしは大好きな彼のいる塾に週3のペースで通う成績不振の恋するヲトメなのです。そしてあたしのHEVENはただの塾の出入口なのです。
(話が盛り上がるように少し脚色してみたのよ☆)
「笑ってる場合じゃないだろ?もっとやる気出せ」
「はぁ〜い」
でもね先生、あたしはあなたといると心臓ドコドキでちっとも勉強に集中できないのよ……。
恋に障害はつきものって、きっとこーゆうことを言うのね……。
myラブリー朱家智範!あたしのハートを射抜いた罪は大きいぞっ☆(アホ)
なんてことを考えてるうちに朱家先生はちゃっちゃと授業を開始。
今から3時間はあたしが先生を独占できる唯一の時間。スバラシキ3時間!!(短いっ)
「おい!聞いてんのか?ちゃんとしなさい!」
ありゃ……(汗)怒られちゃいました。
でもでもあたしってば知らず知らずのうちにカレに見とれてしまうのヨ。知的な瞳がかっこいーーー!!
「ああ、青春っ!」
「はぁ!?」
しまったテンション上がりすぎてつい口に出ちゃったわ!!
「何でもないの……。どうぞ続けて☆」
「大丈夫かお前……。成績下がりすぎておかしくなったんじゃ……」
ガーン!!けっこーショックー!!そうなの、あたしってばカレを想うあまり成績が上がるどころか急下降中なの〜!!
「すこしは教えてる俺の顔もたててくれよ?」
ええ!あなたのためでしたら何なりと……!!
「がんばりまーす」
ダメなあたし……。カレの前だと素直に気持ちも伝えられない……。
朱家先生、あたしのこの溢れんばかりの熱い想い、受け取ってくれますかーーー!?
「だめですね」
ええっっ!?テレパシー!?先生ってば異星人?
「集中できないようなので少し休憩しましょう」
なんだ……そうゆうオチですか……。
「すいません……。どうしても数式を見ていると眠くなってしまって……」
何いってんのよぅ!違うでしょ!?今がチャンスよ!
「あっ……あああたし、朱家先生のっ……」
そうよっ!いけっ!!
「何?」
「先生の……名前、好きです……。ほら、あたしの名前ってちょっと古くさいじゃないですか〜」
あ〜〜〜ぁ、何言っちゃってんだあたし。
「そうかな?俺は好きだけどな。桔梗って名前。かわいくて」
「そう、ですか?」
(かわいいだって、うれしーーー♪♪)
「桔梗って、確か変わらぬ愛ってゆう花言葉があるんだよ。いい名前じゃん」
「……先生、男のくせに花言葉とか……ちょっとサムイよ?」
「うるせ〜よ!」
ウソです。サムイなんて、とんでもない。
うれしくて、うれしい死にしそうです。
この日からあたしの好きな華は桔梗になった。
あたしは桔梗だから、先生への愛は変わらないと思うよ。
今日は花屋で桔梗の花束を買って帰ろう……。