表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/28

第五話;闇の中へ〜境遇〜

 物心ついたときにはすでに独りだった。

 父親の顔なんか知らない。

 水商売をしている母親にほったらかされて育った。

 愛情なんて与えられなかった。

 家に帰っても在るのは机の上のお金だけ。

 母はあたしに何一つ教えてくれなかった。

 12の時、母の彼氏にヤられた。

 何してるのかなんて分からなかった。

 苦しくて……気づいたら手にお札を握ってた。

 あたしは中1で“売り”をやったんだ。在るのはいつもお金だけ……。

 お金はあたしを裏切らない。

 お金があれば、欲しいものが買える。

 流行りの服が着られる。

 おいしいものが食べられる。

 頭の中で、何かが切れた。

 それからあたしは売りを繰り返すようになった。

 でも、それでも、どんなにたくさんお金があってもあたしが満たされることはなかった。

 それに気付いてもあたしは売りをやめようとはしなかった。少なくとも、ヤりたがる男達はあたしを必要としてくれていたから。その最中だけはあたしの居場所があるような気がしたから……。


「君、ひとり〜?」

「そうだけど?」

「ちょっと遊びに行こうよ」

「え〜、お金もってるの〜?」

「大丈夫だって〜。奢るし」

 この後は、お決まりの定番コース。食事してお泊まり。

 もう3ヶ月は家に帰ってない。

 それなのに母からの電話はたったの一件も入ってなくって、あまりの関心のなさにさすがに少しへこんだ。

 学校もサボり続けてる。さすがにもう退学になったかな?どうだっていいけど。

「ヤりたいんでしょ?いくら払えるのって聞いてるの」

 あたしは不敵な笑みを浮かべて見せた。




 

 堕ちてゆく……。どこまでも堕ちてゆく。

 あたしの愚かさゆえ……。

こんな作品で誠に恐縮ですが感想などあれば聞かせて下さいm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ