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第一話;迷い猫〜出会い〜

 夜になって、人通りもまばらになり、車も次第に見当たらなくなってきていた。

 田舎ではないが都会とも言えないこの街では夜は若者達の格好の自由時間だった。

 そんな中、すでに閉まっている店のシャッター前に屈み込んで動かない少女がいた。

「カモがこなーい…」

 10月の寒空の下、すでに4時間も少女はそこに座り続けている。

 手も足も冷えきって今ならどんなに気持ちの悪い奴にでも着いていけそうだった。(普段は多少値踏みしていた)

 いっそこのまま野宿しちゃおうかなぁ…死んで悲しむ人なんかいないし……。

 少女がうとうとし始めた時、ひとつの足が少女の前でピタリと止まった。

「何、してるの?」

“やっとカモがきた”と、少女は思った。

 少女は顔を上げてその人を見た。どう見てもまだ若く、20代半ば、多く見積もっても30前後のその男は澄んだ瞳で少女をじっと見つめていた。

「…別に何も」

 少女は短く答えた。

 明らかにカモではなさそうなマジメな風貌にすっかりやる気も失せてしまったのだ。

「寒くないの?」

 男は心配そうに言った。

「寒いよ(当たり前じゃん)」

「家来る…?」

 予想外な言葉だったが少女にとっては待ちわびていた言葉でもあった。

「うん」

 少女はあっさりそう言った。


 タクシーに揺られながら少女はその男をじっくり観察してみた。

 この人どっかおかしいのかな?女なんか買わなくても手に入りそうなのに……。

 マジメ男は縁なしメガネに丁寧な顔立ちをしていて、決してモテないタイプではなかった。少女は不思議でならなかった。

 何よりも、人を安心させる深い濃紺の瞳が魅力的だったから……。

 対する少女は茶パツにピアス、ミニスカートといったギャルファッションに身を包み、顔には流行りのメイクを施していた。

 顔はそこそこ可愛く、少女自身、自分にそれなりの自信を持っていた。

 運転手はバックミラー越しに、怪訝そうな顔で二人に一瞥をくれた。

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