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「ササヤマ統括本部長、旦那ではありません、元旦那です。申し訳ございません、すぐに私も確認します」
それだけ伝えると私用で使っている携帯を取りに行った。
「あの馬鹿…こんな大事な時に…足を引っ張りやがって…いったいどこで何やってんのよ!あー、もう!」
私はこのイライラをどこにもぶつけられないまま、鞄から携帯を取り出した。
「はっ?」
『必ず戻る』
メールの意味のわからない言葉に戸惑いながら、元旦那に電話をしてみたが繋がらなかった。
ただ、昔、初めて出会った頃に感じた、ガサツだがどこか安心感を感じさせる懐かしい感覚を思い出した。
『72,388,214,/130,000,000』