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「ササヤマ統括本部長、相変わらずの迅速な対応で助かるよ」
「いえ、先に先に手を打っておかないとまずいですから。国民も政府の迅速な行動を期待していますから」
統括本部長は総司令官の顔色を伺い、それに合わせて返答をする。
特殊部隊派遣もまだ耳には入れてなかったのに、総司令官の態度を見て、あたかも自分が派遣を決め指示を出したかのように話を合わせてきた。
しかし、これでいいのだ。
誰もが最終的な責任回避のため動こうとしない中、権限を越えてでも正しい選択をしていけばそれは正となるのだ。
今回の独断も吉と出たようだ。
昇り詰めるには一度も判断を誤ることはできない、そんなプレッシャーがここ2年近くずっと続いている。