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映像が切れると、おれは我に返った。
あまりにもリアルで思わず見入ってしまっていた。
「おい、何だよこれ、どうしたんだよ?」
タカスギが持ってきたディスクには現地の生々しい映像が記録されていた。
「まあまあ、先輩、それは今はいいとして、先を見ましょうよ」
タカスギがそういっている間にまた映像が流れ始めた。
『「ハァハァ、くそ!なんとか振り切ったか…?」
「死ねー!」
ズゴゴーン
「くっ、あぶねぇ…逃げても逃げてもいろんなとこに隠れてっから、安心できるとこねぇじゃねーか。
ハァハァ…
でも、とりあえず相手の一撃をかわしさえすれば、もう相手に武器はないから大丈夫みたいだ…
ハァハァ…
うわっ!やべっ、こんなとこにも…」
「あー、待ってくれー、助けてくれー、助けてくれよー、死にたくねーよー、お願いだよー、死にたくねーよー、死にたく…」
パンッ
ボンッ