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「は?おまえを?政府軍が?」
「ああ、邪魔なんだろうよ。政府と囚人がつながっていて、囚人の助けで北海道を守れました、なんてことじゃ、政府の威厳は保てないだろ?ん?なんだ?雪?こんな時期に…」
サカモトはいつものように冷静な口調で淡々と話をしていた。
おれは、サカモトを押さえておくことでこちら側に優位に働くと思っていたが、とんでもない時限爆弾を抱え込んでしまったことにやっと気付いた。
ブー
ブー
『8:55 囚人掃討作戦完了。政府軍は作戦開始より1時間20分にて札幌方面の囚人軍の壊滅を発表』
『82,655,380/130,000,000』
季節外れの雪が激しさを増していく中、辺りに銃声が響いた…
「まあ、気にするな………………、……………」
サカモトの声は銃声に掻き消されていった。