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バタンッ
「サカモトか」
「スズキ司令官、ご報告です。札幌地区囚人掃討作戦により、囚人軍はほぼ壊滅。散り散りになった囚人達は各方面で投降している模様。第一段階は完了致しました」
「よく戻った、ご苦労さん。内々の話がある。あとで例の所に来るように」
司令官が去って行く音が聞こえ、サカモトが車に乗り込んできた。
「少し休もうぜ。そんな怖い顔して銃向けてちゃ疲れんだろ」
「うるせぇ!おまえは黙って運転してればいいんだよ!」
「へいへい。んで、どこに向かいますか?」
「どうすればここを抜けられる?」
「抜けられる?結構難しい質問だね。この殺気を感じないのかな?政府軍は確実にこの車を攻撃してくるだろうよ」
「えっ?おれらが隠れてるのがばれてんのか!?」
「いや、知らないだろうね。おそらくおれをやりにくるんだろうね」