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おれはあのあと、サカモトの車を追いかけ、銃撃した。
サカモトはすぐに、抵抗することもなく降伏した。
「まずはおまえ達の要求通り政府軍の中へ入ったぞ。次はどうすればいいんだ?」
サカモトが異様に落ち着いた態度で聞いてきた。
「おれとサトミの服と武器だ。こんな囚人服のままじゃ目立ちすぎる。二人分調達しろ」
おれとサトミとサカモトは政府軍の迷彩服の中では目につきすぎる囚人服を着ていた。
囚人軍の中では命を保証された証であったが、ここでは逆に命を脅かす存在となる。
「調達って言われてもな…その辺に落ちてるわけじゃねぇし…まあ、しょうがねぇか」
サカモトは言い終わるのと同時に運転席のドアを開けた。