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「おう、遅かったな。逃げ遅れて死んだかと思ってたよ。ん?どっかで銃撃受けたのか?」
「問題ねぇよ。逆に蹴散らしてやったよ。とにかく、疲れたから早く休ませろよ」
「休む前にちゃんと司令官に報告しろよ」
サカモトの車が政府軍の装甲車の後を走り、軍の中心部へと向かう。
「ホントにこんな方法でだいじょぶなの?」
「大丈夫。正面から突破するにはこれしかないだろ。おっと、サカモト、変な動きすんなよ。変な動きすればこのライフルで撃ち殺すからな」
おれは運転席のシート越しにサカモトに銃口を向けたまま小声で言った。
おれたち四人はサカモトの車の後部座席に身を潜め、政府軍の中枢へと潜り込んで行った。