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ブー
ブー
『7:30 政府軍は囚人掃討作戦を開始。これにより囚人軍の勢力は半減する見込み』
携帯の緊急速報を見たおれの表情から、サトミはすぐにこの札幌侵攻の本当の意味を完全に理解したようだ。
「…サカモト…あいつだったのか…裏切り者は…くそっ」
サトミのつぶやきに異様な重さを感じた。
ズドドドーン
今まででとは比べものにならない程の爆音がゆっくりと響いてきた。
後ろを振り返らなくても、バックミラーを見なくても、何が起きたのかはわかった。
「あぁ…」
ススムが声にならない声を発した。
今度はショックによりうずくまることもできずに、ただただ後ろのを見たまま固まっていた。
そんなススムの目をマナブは後ろからそっと手で塞いだ。